メイン州はケーブルTV事業者に対してアラカルトでのサービス提供を義務付ける州法を通過させ、ケーブルTV事業者のComcast、それにコンテンツ事業者のDisney、CBS、Discovery等のがこれは通信法だけでなく、表現、報道の自由を守る、憲法第1条も犯しているとして訴訟を起こした。
多チャンネルサービスはパッケージで提供されている。オプションのパッケージもあるが、殆どの主要チャンネルは基本パッケージに含まれている。これは多チャンネルサービスの価格を高くしていると消費者は訴えてきた。基本パッケージのチャンネルが増えると共に、料金も増えていた。パッケージ制では関心の無いチャンネルにも金を払っている事になる。例えば、スポーツに全く興味が無くても、ESPN、NBC Sports、地域スポーツネットワーク等の料金を払っている。多チャンネル事業者が支払うスポーツ系ネットワークへの料金は1加入者あたり月$30程度になっている。好きなチャンネルだけを選ぶことが出来れば、価格は安くなるはずである。
多チャンネルサービス事業者、それにコンテンツ事業者はアラカルト制は逆に値段を高くすると反論してきた。ESPNの契約料は月$15近く、高価であるが、$15で済んでいるのは加入者全体が払っているからで、アラカルトになり、半分の加入者がESPNを辞退すれば、ESPNの料金は$30になる。ニッチなチャンネルの値上幅はさらに大きい。$2程度のチャンネルの加入者が90%落ちれば、$20のチャンネルになってしまう。また、ネットワークへの広告収入が減る危険もある。普通は見ていないチャンネルでもザッピング中に目に止まり、見始めることもある。対象視聴者が大きいから視聴者が増える可能性がある。それが、チャンネルを知っている人しか見ることが出来なければ、視聴者は増えず、広告収入も増えない。
多チャンネルサービス事業者は料金を減らすために基本チャンネルを減らしたスキニーなパッケージを提供し始めているが、完全なアラカルト制は収入が大きくと減るリスクが高く、賛成は出来ない。さらに、Comcast等の多チャンネルサービス事業者はコンテンツ事業者でもある。
メイン州はケーブルTV事業者へのフランチャイズ当局としてこの規制を出しているので、これは衛星放送、あるいはvMVPDには適用しない。Comcast等は、ケーブルTV事業者だけを規制をすることは不公平であり、さらに、通信法では州はフランチャイズ契約以上の規制をすることを禁じており、この法は通信法に触れるとしている。
多チャンネルの料金制はは業界全体の問題である。チャンネルが増えることで、成功をしてきたが、それにより料金が増え、不満が積り、コードカッティングが進んでいる。多チャンネルサービス加入者に取り、見ないチャンネルにも金を払っていることが大きな不満の1つである。この規制を機に多チャンネルサービスとコンテンツ事業者で新たな料金体制を検討し、視聴者の満足度を高めることが出来れば良いが、その可能性は少ない。大手コンテンツ事業者はOTTで視聴者への直接配信を始めている。すでに、多チャンネル放送を見捨て始めており、これを救出することへの関心は薄い。
