重要になるOTTビデオ広告

OTTビデオの開始時点では広告収入でのビジネスは成り立たなかった。OTTにはアドレッサブル機能があるとは言っても、OTTビデオの利用者数は少なく、その殆どはTVも見ているので、OTTビデオで広告をする必要性はなかった。しかし、状況は大きくと変わっている。前記のようにOTTビデオの視聴は大きくと増え、リーチは人口の56%に達している。さらに需要なことは、テレビ放送を受信していないブロードバンドだけの人口が11.3%になっている事である。これらの人にはTV広告ではリーチすることが出来ない。

Huluの発表によるとその視聴者の53%はテレビ放送をまったく見ていない。Huluが配信したスーパーマーケット・チェーンのKrogerのオーガニック製品のブランド、Simple Truthの広告を見た人の82%は同製品の広告をテレビでは見ていなかった。コード・カッティングが進んでいる若い世代にリーチするにはOTTビデオでの広告が不可欠になっている。Nielsenの「Local Watch Report」(http://bit.ly/2P0ogoo)によるとOTTビデオを見ている人と見ていない人のプロフィールは大きくと異なる。また、人種でもOTTビデオでのリーチ率はヒスパニック、アジア系では平均以上に高く、若く、教養のあるアジア系とヒスパニック系にリーチするのであれば、OTTビデオでの広告が重要になる。

OTTビデオ視聴者と非視聴者のプロフィール

OTT視聴者

 

OTT非視聴者

50歳

年齢

62歳

36%

マルチ・カルチャー

33%

44%

子供がいる

28%

73%

仕事がある

55%

$69,400

中間収入

$44,800

43%

大学卒業

31%

Nielsen


Nielsen

しかし、OTTでの広告が失敗する場合もある。その原因の1つはバッファリングである。コンテンツと広告の配信サーバーが異なるので、広告再生の前にバッファリングが起きる可能性がある。Convivaの調査ではコンテンツと広告の間にバッファリングが起きると視聴を中止する可能性が高くなる。視聴を中止するもう1つの理由は広告の長さである。Convivaの「State of The Streaming TV Industry Q2 2019 」(http://bit.ly/2KNCHXv)によると、ミッドロールで10秒以上の広告を配信すると50%以上の確率で再生が中止されている。現在、配信されている広告の平均は24.87秒であり、テレビでは普通の30秒広告をOTTでは使えないと言うことになる。


Conviva

OTTビデオ広告の増加はいずれかは放送広告に影響を及ぼすであろう。すでに多チャンネルサービスのVODでの広告が減少し始めている。Comcast、Charter、Coxが共同で運営しているVOD向け広告の販売をしているCanoe VenturesのQ2の広告配信数は670万本で、前年同期の680万から減っている。2019年前期の合計は1310万本で、今年は2018年の2680万本を下回る可能性が増えている。


Canoe Ventures