AT&T TVがスタート

AT&Tが同社ビデオサービスの馬車馬になると言っているAT&T TVがカリフォルニアのオレンジ郡等の10地域でスタートした。AT&T TVはOTTベースのサービスであるが、スキニーなパッケージではなく、既存の多チャンネルサービス同等のパッケージであり、専用のSTBも必要になる。

最も安い「Entertainment」パッケージは月額$60だが、2年目からは$93に値上がりする。次の「Choice」は$65で、MLB Network、Tennis Channel等スポーツ系のチャンネルが増え、地域スポーツネットワーク(RSN)も含まれるが、RSN料は別途$8.50請求されるので、実際の価格は$73.50である。もっと高い「Ultimate」は$80で、2年目からは$135である。料金はDirecTVと同じであるので、料金を低くしている他のOTTベースのサービスとは違う。パッケージの料金はDirecTVと同じだが、AT&T TVにはNFL Network、それに一部の地上波局の再送信も無いので、実質的には高価である。これらのチャンネルは正式な全米でのローンチ時には加わると思われるが、AT&Tからの発表は無い。料金にはクラウドDVRが含まれ、500時間の録画が出来るが、録画された番組は90日後に自動的に消却されてしまう。

サービスの利用には専用のAndroid TVベースのSTBが必要になる。STBのレンタル料はパッケージ価格に含まれているが、最初に$20の登録料が請求される。2台目からのSTBレンタル料は月$10だが、2台目からはApple TV、Fire TV等の通常のストリーミング・プレーヤが使えるようになる。また、サービス加入には2年契約が必要で、それ以前に解約をすると月あたり$15の罰金を取られる。サービス料金は2年目から値上げされる。サービスはOTT提供され、どのブロードバンドサービスでも使えるが、おすすめはAT&TのInternet 25で、AT&T TVとのバンドルではInternet 25の初年度の月額は$30になる。ブロードバンドサービスのルーターレンタルは別料金で、ブロードバンドも2年前に解約すると、別途、月あたり$15の罰金を取られる。

AT&T TVはOTTベースの多チャンネルサービスのメリットである、低料金、STB不要、契約不要、いつでも解約可能等を除き、事業者側にはメリットになる既存サービスにある登録料、2年契約等を加えたことになる。OTTであるので、サービス保証は無く、遅延もある。AT&T TVは事業者側には最高の条件であり、これが馬車馬になってくれれば、AT&Tには最高のことである。しかし、利用者のメリットは見えない。DirecTVにはSTBのレンタル等が加わり、全体のコストは高くなるが、サービス保証がある。

AT&T はDirecTVは引き続き提供を続けるが、U-verse TVはリタイアさせるようである。AT&T TVが開始された10都市地域ではU-Verse TVの提供は続くが、新規加入は出来なくなっている。また、OTTサービスのDirecTV Nowも名称がAT&T TV Nowに変わる。

AT&T TVは はどのような利用者層を狙っているのであろうか。2年縛りで、料金がDirecTVと同じであれば、コードカッター達は見向きもしないであろう。DirecTVを含めた既存の多チャンネルサービス事業者で満足している人が、わざわざサービス保証の無いOTTベースのサービスに乗り換える必要も無い。