SonyがPlayStation Vueを開始

利用者を限定して行われてきたテストを経て、Sonyはニューヨーク、シカゴ、フィラデルフィアの3都市でOTTベースの多チャネルサービス、PlayStation Vueのサービスを開始した。PlayStation ViewはSling TVと同様なサービスだが、 PlayStation Vueはチャンネル数も多く、地上波再送信もあり、地域スポーツチャンネルのオプションもあり、よりケーブルTVに近い。ABCを含めたDisney系のチャンネルが無い以外、主要なチャンネルはほぼカバーしている。しかし、月額は最も安い「Access」でも$50と、値段もケーブルTV並である。

Accessパッケージは約60チャンネルで構成されている。ABC以外の4大地上波ネットワーク、CNN、Discovery、Fox News、Fox Sports、NBC Sports、Nickelodeon、MTV、Comedy Central、TBS、TNT、USA Channel等が含まれている。CoreはこれらチャンネルにBTN、Golf Channel、TCM、それに地域スポーツネットワーク(ニューヨークはYES Network、フィラデルフィアはComcast SportsNet Philadelphia、シカゴはComcast SportsNet Chicago)が含まれ、月額は$60になる。月額$70のEliteはさらに30程度のチャンネルが加わる。

Comcastの約100チャンネルのDigital Starterは$70程度であるので、Eliteはチャンネル数でも価格でもケーブルTVとほぼ同じである。チャンネル数だけでは、PlayStation VueはケーブルTVと大差はない。現在、PlayStation Vueが視聴可能なプラットフォームはPlayStationだけでだが、iOS向けのアプリの提供が約束されている。しかし、Playstation Vueはすべてのコンテンツを加入者の宅外に配信する権利は得ていないので、家から外では見る事が出来ない番組もあり、これもケーブルTVと同じである。PlayStation Vueは28日間分の録画が可能なクラウドDVR機能を含んでいるので、DVR機能は有料のケーブルTVより得である。その他、PlayStation VueにはVODライブラリー、過去のエピソードを見る事が出来る「Lookback」機能、グラフィカルなUI、高度な検索/レコメンド機能等があり、通常のケーブルTVより高度である。UIにおいてケーブルTVと明らかに違う部分は、チャンネル番号が無く、ネットワークはチャンネル番号で探すのではなく、ネットワークの名前で探すので、Discoveryは何チャンネルであるかを記憶している必要性は無い。

DVRの容量は無制限だが、期間が28日に限定されている。録画指定は、シリーズ単位であり、特定のエピソードだけを録画する事は出来ない。シリーズを録画していから外すと、その時点ですでに録画されたエピソードも消去されてしまう。

PlayStation Vueに対する疑問は商品コンセプトと価格形態がマッチしているかである。PlayStation VueはiOS、それにApple TV以外のiSTBもサポートすると言っているが、現時点ではPlayStation利用者が対象である。若者であり、Sling TVと同様に既存の多チャネルサービスには加入していない層を狙っていると思われる。しかし、その層に$50から始まる料金は適切であろうか。Sling TVはOTTベースのサービスでも、料金が既存のケーブルTVと同じではこの層へのアピールは出来ないと判断し、基本パッケージを$20とし、オプションもそれぞれ$5と低い値段にしている。PlayStation Vueは、多チャネルサービスには加入していない新規層を狙いながらも、既存のサービスに加入しているが、より安いオプションを探しているコードカッティング層にもアピールしようとしている様である。