FCCはインターネットサービス事業者(ISP)を1934年通信法第II(ローマ数字の2)章(Title II)で定義されるコモンキャリアの通信事業者として扱う事を3対2で決議した。賛成は、Wheeler委員長を含めた民主党系委員3人で、反対は共和党系委員の2人であった。この決定が必要になったのは法廷がFCCにはISPに対してネットワーク中立性規制を適用する権限が無いと判定した為である。
これまでISPは情報サービス事業者の扱いで、FCCの権限は1996年電気通信法の第706条(Section 706)で決められていた。FCCは2002年にインターネット市場におけるイノベーションを支援する事を目的にケーブルモデムサービスを第706条のサービスと定義し、2007年には無線ブロードバンドも同様に706条扱いとした。しかし、これがネットワーク中立性規制に問題をもたらす事になる。2010年にFCCは「Open Internet Order of 2010」として、特定なサービスをインターネット上で優先する、あるいは後回しにする事を禁じる規制を作った。VerizonはFCCにはISPを規制する権限が無いと、法廷に訴えた、法廷はそれを支持した。
電気通信法706条がFCCに与えている規制権限は、「地域電気通信市場の競合を促進する為」、それに「インフラストラクチャへの投資における障害を取り除く為」の2つに限定されている。法廷はOpen Internet Order of 2010はどちらも当てはまらないと判断し、規制を無効にした。
FCCにネットワーク中立性規制の権限を与える方法は2つある。1つは、1934年通信法と1996年電気通信法の書き換えである。これは難しい事である。FCCにこれまで以上の権限を与える事には反対の議員も多く、議会通過は容易ではない。もう1つの方法はISPをコモンキャリアとして再定義することで、これはFCC委員会で決める事が出来る。FCCはISPをコモンキャリア事業者と定義する新たなインターネット中立性規制を作った。規制の内容は、「Open Internet Order of 2010」とほぼ同じであるが、大きな違いは無線も有線と同じに規制している事である。
ネットワーク中立性の支持者は多いが、ISPを第II章で定義する事に対して消極的な考えも多かった。電気通信法は81年前の物であり、第2章だけでも100ページ以上あり、ISP事業者に当てはまらない部分も多い。FCCは必要以上の規制は行わないと言っているが、ISPを公共事業として細かく規制する権限を得る事になる。当然、通信事業者、ケーブルTV事業者は、インターネットサービスが第II章で定義されるようになる事に対して反対をしており、撤回を求めた訴訟を起こすであろう。
インターネット中立性規制の大きな目的はISPが自社、あるいは特定のインターネット上のサービスを優先し、他を差別にする事を事を禁じる事である。Comcast等の大手ブロードバンド事業者とNetflixの契約等がこの対象になるのかは不明瞭である。Netflixとの契約は直接接続であり、Netflixのトラフィックを優先する為の物ではない。しかし、これによりNetflixのトラフィックの速度が増している事も事実であり、規制の対象となる可能性もある。
