700 MHz帯域は誰が入札可能?

アナログ放送の終了が2009年2月に迫り,現在アナログ放送で使われている700 MHz帯を通信事業者に競売する方法に関する議論が本格的に始まった。一番の大きな話題は,誰がこの競売に参加出来るかである。Consumers Union,Public Knowledge,The Media Access Project等の団体はこの競売ではAT&T,Verizon,Comcast,Time Warner等の大手の既存事業者の参加は許さずに,新しい競合事業者を対象にするべきだと言っている。もし,競合を作るのが目的であれば,これには一理ある。しかし,競合を作るという目的と同時に,出来るだけ高い値段でこれら帯域を売りたいと言う政府の本音もある。懐の深い大手事業者が参加しなければ,高い値段につり上がっていく事は無いであろう。また,既存事業者を競売から省いても,競合が育つとは限らない。PCSライセンスにより,Sprintが携帯電話事業に参加する事が出来たが,それ以外では競合が育ったとは言えない。

また,競合通信事業者が全米網を持つことが出来るように,全米の帯域をパッケージして競売するとの提案も出ている。競合を作るのであれば,これは有効かも知れない。しかし,現実的にどれほどの会社が既存勢力ではな会社が,全米網を買える程の金があり,さらにAT&T等と競合出来る通信技術を持っているか。ケーブルTV,電話会社とビデオ市場で張り合ってるDirecTV,EchoStarは関心があるだろうが,それぞれではAT&T,Comcast等に対抗出来る程の資源は無い。帯域を買うことが出来ても,サービスを開始する資源が無く,スタートが出来なければ,意味が無い。

Google等のインターネット会社も積極的にロビー活動をしている。Google等も既存事業者に参加させることは反対で,さらにはこの帯域を使って提供する通信サービスはネットワーク中立性を約束するべきだとも言っている。Googleが自ら競合通信サービスを始める意志があるのなら,面白いが,果たしてどうであろうか。Verizon等はもし,ネットワーク中立性を約束しなければならないのであれば,膨大な金額を出して帯域を買う価値は無くなると反対をしている。

出来るだけ多くの金が欲しいのであれば,真正面からAT&T,Verizon,Comcast,TWC等をぶつけるのが一番であるが,帯域の多くを既存の大手が買ってしまったら,競合を育てると言う目的は達せない。FCCの競売のルール作りはこれからであるが,これまでの競売でも訴訟等で遅れたことが何度もある。これ以上,価値のある帯域が今後,競売になることは無いと言われる700 MHz帯の競売ルールを作るのは大きな騒動になっていくであろう。