Netflixは最初は郵送DVDレンタルサービスの一部としてストリーミングを始めた。ストリーミングにより、DVDが郵送中でも映画を見る事が出来る。しかし、映画のライセンスは高価で配信が出来るタイトルは限られていた。Netflixは古いTVドラマに目を付け、その配信交渉をした。テレビネットワークに取り、古い番組は眠っている資産であり、喜んでNetflixと契約した。
しかし、Netflixがポピュラーになる事でブランドの問題が生まれる。視聴者からすれば、見ているのはNetflixであり、その番組がABCが制作したものでもでも、NBC制作でも違いは無い。テレビネットワークは自分のコンテンツでNetflixが有名になって行く事に対して不満を持ち始め、自社のポータル、あるいはHuluで配信する等、Netflixとの契約を減らしていく。これに対して、Netflixはオリジナル番組の制作を開始する。Netflixは配信事業者ではなく、コンテンツ事業者になり始め、TVネットワークとの競合になっていく。その対抗として、TVネットワークもSVODサービスを始め、すでにHBO、Showtime、Starz、CBS等が独自のSVODを提供している。さらに、ABC、FoxもSVOD化の計画があり、Netflixとの配信契約を終了しようとしている。
しかし、これはアメリカ国内に限った事である。海外向けには多くのネットワーク番組がNetflixで配信されている。Netflixと契約すれば、全世界での配信が可能になる。CBSはその話題作のStar Trek Discoveryを自社のSVODのCBS All Accessの独占番組としている。これによりAll Accessの加入者数は増えているが、それでも200万人である。広告収入としては地上波のCBSで放送した方が儲かるはずである。CBS会長のMoonves氏はStar Trek Discoveryの制作費はNetflixとの海外配信契約で回収しているので、問題は無いと語っている。
だが、海外での配信にNetflixを使っている事は、Netflixの海外での成長を助けることである。欧州でStar Trek Discoveryを見たいのであれば、Netflixに加入するしか無い。CBS、Disney、Fox等もいずれかはSVODで国際進出をするはずで、その時にNetflixとの契約を破棄すれば良いのだが、その時点ではNetflixはさらに大きくなっているであろう。各国のローカルなSVODと契約するより、Netflixだけと契約する方が簡単ではあるが、長期的にはリスクも高い。
