コンテンツを求めるスポーツファン

COVID-19により試合が無くなりっている中、スポーツファンのテレビ視聴時間は減っているであろうか。AT&Tの広告部門のXandrとAT&T LabsがAT&TのDirecTV視聴者をベースに行った調査では、答えはノーである。2月から3月ではスポーツイベントの視聴は87%減っているが、スポーツファンのテレビの視聴時間は10%増えている。スポーツファンがスポーツ以外に見ている番組としてはニュースがトップで46%、2位は映画で17%、3位はスポーツ関係のリアリティー、ドラマ、リアリティー、トークショー、子供番組がそれぞれ5%でタイになっている。

スポーツファンはスポーツ番組に飢えている。試合が無いだけではなく、チームの練習もなく、スポーツ関連のニュースも無い。ESPN等のスポーツ専門チャンネルは過去の名試合を再放送しているが、それも限度がある。地域スポーツネットワークの一部はゲームを使い、地元チームの予定されていた試合をシミュレートし、通常のアナウンサーが解説を入れ、実際の試合らしく放送した。ESPNはNBAの選手によるNBA 2K20のゲームを使ったトーナメント等を行った以外に4月5日にはESPN2で12時間連続で様々なEスポーツの試合を中継した

Eゲームは自宅から競技出来るメリットがある。しかし、会場で行っているEスポーツの試合とは異なり、観客がいなく、面白みは減る。また、スポーツファンがEゲームが好きとは限らない。ESPNは実際のプロ選手を使った自宅からのゲーム中継を試みた。NBAとWNBAの選手によるH-O-R-S-Eゲームの試合を行った(H-O-R-S-Eの説明はhttps://bit.ly/3f2oSD1)。各選手は自宅のコートからの参加した。アイデアとしては良かったが、画質が非常に悪く、どの様なショットをしたのかが分からないことも多く、成功ではなかった。自宅のブロードバンド、あるいはLTEを使っての配信はビデオコンファレンスでは可能であっても、動きのある場面は難しい。

その中で大成功したのがNFLのドラフト会議中継であった。ドラフトはすべて自宅から行われた。NFLコミッショナーのロジャー・グッデルが自宅から司会をし、各チームのスタッフもそれぞれ自宅から参加した。中継には600以上のカメラが各チームのヘッドコーチ、GM、候補選手、大学のコーチ、それにファンの自宅等に送られ、それらの映像を使って、雰囲気を出した。制作はESPNが行い、ESPN、ABC、NFL Networkで放送され、それぞれのオンラインプラットフォームでも配信された。3日間のドラフト会議の初日(第1ラウンド)は1560万人の視聴があり、2019年のドラフト会議中継から比べ、37%も増えた。第4から第7ラウンドの3日目でも420万人の視聴があり、2019年から32%増えた。視聴者数の増加はスポーツファンがスポーツイベントに飢えているのが理由であるが、通常は気難しい顔のコーチが子どもを抱いていたりとか、バーチャルで行われたドラフト会議はそれなりの面白さもあった。