TV番組のインターネット配信

インターネットでのビデオ視聴時間は増えている。Nielsen社の統計では2008年第3四半期のインターネットビデオの月間平均視聴時間は27時間4分(TV自体は151時間3分)であった。NBCの報告では同ネットワークのヒット番組、「Heroes」の今シーズンの合計視聴者数はTVが2.49億で、インターネットストリーミングは7917万であった。

現時点ではインターネットでストリーミングされている番組の主体は地上波放送の物であり、多チャンネルネットワークの番組は少ない。これは、地上波ネットワークと多チャンネルネットワークでは収入構造が異なるからである。地上波ネットワークの収入は広告であり、インターネットでの配信をする事で広告収入がえられれば、基本的なビジネスモデルは変わらない。

多チャンネルネットワークも広告を売っているが、その収入の約半分はケーブルTV等の多チャンネル事業者が支払うライセンス料(視聴者料)である。広告収入だけで、インターネット配信を始めた場合、このビジネスモデルが崩れる事になる。多チャンネルネットワークは例え、放送と同じレベルの広告収入を確保する事が出来たとしても、収入は半分でしかない。有料サービスとして配信を始めた場合、多チャンネル事業者に競合する事になり、リスクを伴う。

しかし、多チャンネルネットワークも、そして多チャンネル事業者もインターネットを使ったビデオの配信サービスに強い関心を持っている。Time Warner、それにケーブルTV事業者のTime Warner Cableは多チャンネル事業者を巻き込んだ「TV Everywhere」と呼ばれる構想を売り込もうとしている。TV Everywhereでは多チャンネルネットワークは、Hulu等のインターネットサイトでその番組を配信するが、配信はメンバー制になり、視聴可能な人はそのネットワークが放送されている多チャンネルサービスの加入者に限られる。どの様な方法で認証をするか、サービスは有料オプションか等、未決定の部分も多い。NTIAのCable Showにおいて、Disney ABCは「TV Everywhere」構想を拒否する発言をしたが、多チャンネルネットワーク、それに多チャンネルサービス事業者の両方に取り、メリットがあるビジネスモデルであり、関心は高い。Cable ShowではTime Warnerはそのプレミアム(有料)チャンネルのHBOはHBO Goと呼ばれるブロードバンド配信のサービスを発表した。HBO Goは多チャンネルサービスでHBOに加入している視聴者だけが利用可能になっている。

Time Warner CableはHBO、Turner Broadcastingを含めたネットワークと共にこのサービスの実現化に向け、認証方法等のテストを行っていると発表している。TWCはウィスコンシンで、HBO Goのテストを行っている。ケーブルTV事業者のComcastもTV Everywhereのテストを実施すると発表した。同社はOn-Demand Onlineと呼ばれる多チャンネルネットワークの番組をそのケーブルTV加入者に対してストリーミングをするサービスを今年中に開始すると発表している。