先月号でFilmOn社がAereoと同様に小型アンテナのアレーを使った地上波のインターネット再配信を始めると書いたが、FilmOnのCEO、アルキ・デイビッドはテレビネットワークを怒らせたいようで、そのサービスを提供する会社をBarryDillerと名付け、BarryDiller.comのウェブサイトをスタートさせた。バリー・ディラーはAereoのバックにいるIAC/InterActiveCorpのCEOである。当然だが、NBC、Fox、ABC、それにCBSはBarryDiller社とその背景にいるFilmOnのCEO、アルキ・デイビッドを著作侵害で訴えた。
アルキ・デイビッドは以前からテレビネットワークと小競り合いをしており、バリー・ディラーの名前を使う事で、テレビネットワークを刺激する事を狙っている様だ。しかし、これは逆にテレビネットワークにメリットを与える事になる可能性もある。Aereoは1人の視聴者に1つのアンテナを提供する事で、著作権侵害にはならないと主張している。Aereoがサービスを提供しているのはニューヨーク市であり、その管轄の裁判所はCablevisionのRS-DVD訴訟でCablevisionを支持した判決を出しており、今回もAereoの主張を支持している。ネットワーク側としては他の地域の裁判所で訴訟を始めたいが、それにはAereoがニューヨーク以外でサービスを開始するのを待たなければならない。
BarryDiller.comはロサンジェルスであり、今回の訴訟はカリフォルニアの地域裁判所で起こされている。もし、ニューヨーク裁判所がAereoを支持する判決を下しても、カリフォルニア裁判所が同様なサービスに対して、異なる判定を出した場合、テレビネットワーク側は最高裁に訴えをする事が可能になる。
この争いは、さらに複雑になっている。勝手に名前を使われたバリー・ディラーは、アルキ・デイビッドのBarryDiller社をパブリシティー権の侵害で訴えた。BarryDiller社は、TVネットワークに訴えられているだけでなく、バリー・ディラー本人にも訴えられた訳だ。バリー・ディラーの訴訟には、技術的な事(BarryDillerがAereoの技術をコピーしているか)は含まれていなく、パブリシティー権が主体で、名前の利用の停止と損害賠償を求めている。
