AT&T/WarnerMedia、それにComcast/Disney/Fox/Skyの買収劇が注目を浴びて来たが、地上波放送の今後に取り、SinclairによるTribune買収も重要である。Sinclairはすでに全米で173のテレビ局を持つ放送会社の大手で、合併後は216局を持ち、その世帯リーチ率は66%を超える。Sinclairは次世代放送規格のATSC 3.0に積極的であり、この買収により広範囲でATSC 3.0を開始する予定である。Sinclair多チャンネル向けネットワークのTennis Channel、そしてTribuneはWGN America、それにFood Channelの30%を持っており、コンテンツ業界へのインパクトもある。
しかし、1社がこれほどのリーチ率を持つ事への反対も多い。本来であれば、この合併は規制違反である。しかし、パイFCC委員長がUHF局のリーチを半分に計算する措置の廃止を撤回した事で可能になっている。FCCの規制では1つの会社の持つ放送局がカバーする地域の世帯合計が39%以上を超えることは出来ないので、UHFに対する特別措置がなければ、Sinclairのリーチ率はこれを大きくと上回ることになる
買収に対する反対を減らす為に、Sinclairは買収後に23局を手放す事を事を提案している。しかし、Sinclairはいくつかの局とは売約後も局運営をし続ける契約をしている事が発覚した。名目上のオーナーは変わるが、運営はSinclairが行う。この買収には協力的と思われていたパイ委員長もこの契約は違法である可能性を指摘している。Sinclairは問題になっている3局の契約は破棄したが、疑いは晴れず、FCCは聴聞会で調査をする方向に進んでいる。さらに、司法省はSinclairの買収を調べている中で、地上波局が他局の広告も販売をすることは独占禁止法に触れる可能性がある事に気づき、調査を始めている。最悪の場合、司法省はSinclairのTribune買収を認めないだけでなく、Sinclairをアンチトラストで訴えることになる。
