自動キオスクでのDVDのレンタルで知られる、RedboxがSPAC(特別買収目的会社)としてIPOしたSeaport Global Acquisitionとの合併により、上場する。合併はQ3に完了の予定である。RedboxがSPACによりIPOをしたのはその資金を使い、ストリーミングサービスに注力するためである。RedboxはこのIPOで$2.09億の資金を得る。しかし、今更、Redboxがストリーミング・サービスに参入する勝算はあるのか。
ストリーミングサービスが始まる以前にBlockbuster Video等のビデオレンタル業界に破壊的な変化をもたらしたのは郵便でDVDのレンタルをしたNetflix、それに自動キオスクでのレンタルを始めたRedboxであった。Redboxはその名の通り、赤い自動キオスクでDVDのレンタルを行っている。サービスのコンセプトはMcDonald’sのビジネス開発チームで誕生し、自動両替機のCoinstar(後にOuterwallに社名変更)がこのスタートアップを買収した。一時はスーパーマーケット等の34000以上の店舗に42000台以上のキオスクを設置していた。しかし、ストリーミングサービスに押され、2013年をピークにRedboxの売上は減り、2016年にApollo Global Managementに買収されている。
Redboxは過去にもストリーミングに参入している。2012年にはVerizonとのパートナシップでRedbox Instantと言うSVODサービスを開始したが、成功できなく2014年にサービスを終了している。2017年にはTVODのRedbox On-Demandを開始し、2020年には無料のリニア・チャンネル(FAST)のRedbox Free Live TVをスタートしている。Redboxの自動キオスクの事業も続いており、約4000万人の利用者がいる。そのベースがあるとは言え、7400万の加入者があるNetflix等との競合は困難であろう。しかし、IPOの報告書では2023年の売上は2020年の$5.5億の倍になる$11億を見込んでいる。
Redboxの設置場所は減り、台数も4万台になっている。しかし、Redboxによるとその利用者の71%は「バーゲンハンター」と自認しており、ストリーミングで$6払うより、手間はかかるが、$2でディスクをレンタルすることの価値を感じている。また、70%は新技術に対してはレイト・アダプターであるとも言っている。Redboxの考えでは、自社のユーザベースに対してストリーミングサービスを提供することは遅すぎでは無く、今がちょうど良いタイミングである。
Redboxがどのようなビジネスモデルを考えているかは不明だが、バーゲンハンター狙いであれば、AVODが重要になるであろう。Redbox Free Live TVは2000以上の映画、100以上のチャンネルがあり、利用者は1年で100万人に達している。AVODサービスも独占、あるいはオリジナルコンテンツが増えているが、Redboxにもオリジナルがある。同社は数年前に、新しい映画のリリースが少ない月を埋める目的に、映画の権利を購入するRedbox Entertainmentを立ち上げており、21本のオリジナル映画をレンタル、それにストリーミングをしている。Redboxはどのようなサービスがその「バーゲンハンター」の顧客をストリーミング利用者にするのであろうか。
