Paramount Globalの今後

CBSとViacomのと分離と再合併の時のように、Paramount Globalにはドラマが付き物であり、今回も同様だ。同社の議決権株の77%を持つNational Amusement, Inc.(NAI)のオーナー、シャーリ・レッドストーンはSkydance MediaによるParamount Globalの売却を決定する会議の数分前に突然、売却を中止した。しかし、その3週間後にSkydanceによる買収に暫定的な合意した。

Paramount Globalの買収が困難な理由は、NAIは議決権株は持つが、普通株は5%しかし所有していないからである。普通株主に良い条件ではNAIの取り分は少なく、NAIに好都合の条件に対しては普通株主が反対する。以前の条件に対しては普通株主は反対で、買収を阻止する為に告訴する予定であった。新たな条件では買収額は同じだが、NAIへの支払いが減っている。

これで買収が決定した訳では無い。まだ、株主が反対する可能性もあり、さらに合意条件には45日間は別会社からのオファーも検討することが可能との項目が含まれている。1984年までParamount PicturesのCEOで、1992年までFOX会長であったバリー・ディラーがParamount Global買収に関心があると報道されており、ドラマの幕はまだ閉じていない。

Paramount Globalを誰が買収しようとも、あるいはそのままであろうとも、再建をしなければならない。Paramountの問題は赤字に加え、146億の債務があることだ。Paramount Globalが発表した再建のプランにはコストカット、資産の売却、ストリーミングでのパートナーシップ等が含まれる。コスト削減にはレイオフ、年$5億規模の予算削減が含まれる。すでに大規模な予算削減の計画があると発表されているが、実行出来るかの疑問がある。これまでのCEOのボブ・バキシュが辞任した後、映画スタジオ、CBS、元Viacom系のケーブルTVネットワークの3部門のトップの3人が共同でCEOになっている。独自での再建の場合、3人が合意出来るかの問題がある。

売りに出される資産のトップはケーブルTVチャンネルのBET(Black Entertainment Television)、VH1、SVODサービスのBET+を含む、BET Networks部門だ。BETはParamountが2000年に買収した事業で、過去に買収に対して数社からのオファーがあり、買い手を見つけるのは簡単であろう。Paramountは欧州、南米でもネットワークを持っており、これらも売却の対象になる。また、ParamountはWarner Brothers Discoveryとの共同で地上波ネットワークのThe CWを持っていた。The CWの75%はNexstarに売っているが、Paramountは8つの都市でThe CWの放送局を持ってた。これらは局は現在では加盟ネットワークがない、独立系局になっている。Paramountが持っている必要性は無くなっており、売却の対象である。

Paramount Globalの大きな課題はストリーミング事業をどうするかである。ストリーミング事業は昨年は$16.6億の差損があった。ストリーミングサービスとしてはParamount+、Pluto TV、BET+、それにNogginがある。Nogginはずでに終了が決定しており、BET+はBET Networks売却で手を離れる。残る、Paramount+とPluto TVを統合することで、コスト削減が出来る。ブランドを統一することで、FASTのPluto TVを有料のParamount+のプロモーションに使うことも可能になる。あるいは、Pluto TVは売り、Paramount+に専念する方法もある。Pluto TVは成功しているFASTサービスの1つであり、買い手はある。Paramount+も売り、自社ではプラットフォームを持たずに、コンテンツ事業者に徹する方法もある。

しかし、大きな赤字であっても完全にParamount+を手放すことは出来ないであろう。放送、特に多チャンネルからストリーミングへ移行する必要があり、自社ではプラットフォームを持たずにNetflix、Amazon等にライセンスするのではブランドを失い、下請け会社になってしまう。Paramount GlobalはParamount+のパートナーになる会社を探している。Comcastとは欧州で手を組んでおり、Peacockとタイアップすることを以前に話していた。ブランドは別にしておくが、配信プラットフォームはComcastに任せることで、コストの削減が出来、また、バンドルしたサービスを提供することで、アピール性を増し、マーケティングでも協力することが出来る。しかし、Peacockもまだ赤字であり、短期に黒字化することは出来ないであろう。

Paramount Global

Peacockに代わるパートナーとして、Warner Bros. Discovery(WBD)のMaxとの合併の話も出ている。Peacockのような協力関係ではなく、Paramount+をWBDに売り、Maxに統合し、その会社の株の一部をParamount Globalが得る。Paramount+を帳簿から除くので、Paramount Globalは黒字になる。Paramount+がなくなっても、Pluto TVはあり、それをParamount TVに変える等で、Paramountブランドのストリーミング・サービスを持ち続けることが出来る。