Paramount GlobalはSVODサービスのParamount+とShowtimeを1つに統合することを検討している。Showtime、それにParamount+前身のCBS All Accessは、CBSとViacomが合併する前の2015年に開始されたサービスである。Showtimeは多チャンネル向けの有料サービス、CBSは地上波放送であり、それらのDirect-to-Consumer版は別のサービスで当然であった。しかし、Viacomと合併後、Paramount+にはViacom系の多チャンネル向けネットワークのコンテンツが加わっている。視聴がストリーミングにシフトする中、Paramount+とShowtimeを別にしておく必要は減っている。
1つのサービスに統合することでコンテンツの規模は増え、Netflix、Amazon Prime Video、Hulu、Disney+、HBO Maxとの差を縮めることが出来る。ShowtimeとParamount+の世界での合計加入者数はQ2で4330万人で、HBO Maxの7680万人(Q1)より少ない。Showtimeは月額$11、Paramount+は広告付きが$5、広告無しが$10である。すでに、2つのサービスのバンドル販売をしており、両方に加入すると広告付きは$8(10月から$12)、広告無しは$13(10月から$15)となっている。
1つに統合した方が利用者には便利であり、Paramount Globalにとっても効率的である。SVODの数が増えたことで、利用しづらくない、利用者はサービスの統合を求めている。Warner Bros. DiscoveryはHBO MaxとDiscovery+の統合を来年に行う予定である。DisneyもDisney+、Hulu、ESPN+の統合、あるいは最低でも1つのアプリから利用可能にすることを検討しいる。
最大のハードルは価格だ。キャンペーン期間が終了後のバンドル価格は$12と$15である。広告無しでの価格はHBO Maxと同じで、広告付きだと$2高い。統合後の価格がこれと同じであった場合、既存のShowtimeの加入者にとっては$1の追加で広告付きのParamount+が利用出来るようになり、問題は少ないであろう。
しかし、$5で広告付きのParamount+に加入している人にとっては料金は140%の値上がりになる。Showtimeの番組が加わるとは言え、大きな値上げであり、脱退を招く。Showtimeは現在は広告無しだが、統合することで広告を売ることが可能になり、広告付き料金はHBO Maxと同じ$10に出来るであろうが、それでも倍の値段になる。
もう1つ、Paramount+とShowtimeの統合を難しくする点は、サービスは有料ネットワーク、多チャンネル向けネットワーク、それに地上波ネットワークの統合になることだ。Paramount+の前身のCBS All Accessは地上波のCBSネットワークのダイレクト化であり、Paramount+の広告無しプランにはCBSの同時配信が含まれている(同時配信には広告がある)。これに、ViacomとCBSの合併で、Viacomの多チャンネル向けネットワークが加わった。これにさらに有料チャンネルのShowtimeが加わることになる。多チャンネルネットワーク加入者に対しては、新サービスはShowtime加入者だけが無料で利用可能になり、Showtimeに加入していない世帯には利用出来なくなるのか。あるいは、Showtimeの番組だけは視聴不可能で、残りは無料で提供するのか。多チャンネルサービスとの兼ね合いはHBO MaxとDiscovery+の統合でも起きる問題である。
Paramount+とShowtimeの統合が示していることは、Direct-to-Consumerのサービスはネットワークのダイレクト化ではなく、コンテンツ事業者の全コンテンツのダイレクト化であり、多くのコンテンツ無しで成功不可能になっていることだ。Paramount+とShowtimeが統合してもコンテンツ数は、5,200本程度で、NetflixとAmazon Prime Videoの7.300本よりまだ少ない。Paramount Globalは、Comcast、あるいはWarner Bros. Discoveryに買収される可能性がある。

Statista
