Lionsgateは5月に映画スタジオ事業と有料チャンネル/SVODのStarzを分離した。NBCUniversalはBravoを除く多チャンネル向けネットワークを年内にVersantとしてスピンオフする。Warner Brothers Discovery(WBD)も来年に多チャンネル向けネットワークを切り離す。1つの会社はWarner系映画スタジオ、Warnerのテレビ番組制作部門、HBO、それにHBO Maxで構成される。もう1つはCNN、TNT、Discovery等の多チャンネル向けネットワーク、それにストリーミングサービスのDiscovery+で構成される。結局はDiscoveryにCNN、TNT等が移った訳で、3年前にWarnerとDiscoveryは合併する必要が無かったことになる。しかし、2022年の時点では多チャンネルサービスにはまだ将来があるように見えていた。
スマートTVはリニア放送の敵か
テレビ受像機メーカーが放送の競合になっていると言えば、不思議に聞こえるが、スマートTVプラットフォームは広告を売り、放送広告で競争している。スマートTVがどれほど、放送/ストリーミングの視聴に影響を与えているのか。イギリスのSamsung Adsから興味深いレポートが発表されている(https://bit.ly/3GUQHj3)。
このレポートにとると、2022年ではスマートTV利用時間のトップはリニア放送、2位はNetflixで、TV OS(スマートTVのUI)の利用時間は3位であったのが、2023年では2位になっている。レポートは、2025年にはTV OSの時間がリニアTVを抜き、トップになると予想している。
ケーブル無しでNFLが視聴可能になる
Disney、Fox、Warner Brothers Discovery(WBD)のスポーツ専門のストリーミング・サービスのVenu Sportsは中止になったが、ESPNとFoxのDirect to Consumer化により、2025年はケーブルTV(多チャンネル)無しでNFL、NBA、MLB等のメージャーなスポーツを見ることが可能になる最初の年になる。
ESPNとFox Oneの影響
ESPN、それにFoxのDirect to Consumer版が秋にローンチになる。DisneyもFoxも多チャンネルサービス加入者を奪うものではなく、すでにコードカッティングをした人々への選択肢であるとし、カニバリゼーションが起きることを否定している。Foxは多チャンネルサービス加入者にはTV Everywhereとして、多チャンネルでのコンテンツのストリーミングしており、Disneyは多チャンネルサービスでのESPN加入者は無料でESPN Ultimateを利用出来るようにする。しかし、DTCサービスに加入することで多チャンネルより見ているチャンネルが安く見ることが出来るのであれば、コードカッティングする人は出る。
ブロードバンド業界の統合
ブロードバンドの加入世帯は92%になり、飽和が近づき、企業統合が始まっている。Verizonは昨年の9月に25州で通信事業を行っているFrontier Communicationsの買収を発表し、5月のFCCの許可が降りた。Frontierは約300万の多チャンネル加入者と520万のブロードバンド加入者を持っている。
FCCの許可とほぼ同時にAT&TはLumensのコンシュマー事業、そしてCharterはCoxの買収を発表した。AT&Tは$57.5億でLumensのコンシュマー向け光ファイバー事業を買収する。Lumensは400万世帯の通過があり、約100万世帯の加入者を持っている。Lumensの買収により、AT&Tはオレゴン州、ワシントン州、アイダホ州、ユタ州、コロラド州、ネブラスカ州、アイダホ州に事業を広げることが出来る。
