BSkyBがAOL U.K.を購入か

Time Warnerは英国にAOLのインターネットアクセス事業を売りに出している。買い手としてはBTが上げられていたが,BTは辞退した模様で,BSkyBが最有力候補になっている。売りに出ているのはAOLのISP事業だけであり,ポータルサイトは対象になっていない。BSkyBはブロードバンドアクセスサービスに参入の予定であり,AOLをその足がかりに使う物と思われる。Time WarnerはAOLのドイツとフランスのISP事業も売りに出している。

CablevisionのネットワークDVRが訴えられる

The Compassの2006年4月号で報じたようにCablevisionはリモートストーレッジDVR(RS-DVR)の名称でネットワーク型のDVRのテストをロングアイランドで開始の予定であった。RS-DVRは視聴者のSTBではなく,ケーブルTV事業者のヘッドエンドのサーバーに番組を録画するネットワークベースのDVRである。放送番組をヘッドエンドで録画し,後で送信する場合は同時再送信では無くなり,ケーブル事業者が再放送の許諾をコンテンツ事業者から得なければならない可能性がある。Time WarnerはMystroTVの名称でネットワークDVRを開発したが,この著作権問題をクリア出来ずに諦めた。MystroTV は全放送を録画し,視聴者の要求に応じて提供する方式であったのに対して,CablevisionのRS-DVRは加入者毎にサーバーに専用の録画場所を持ち,STBから録画,再生の操作を行う。Cablevisionはこの方法はBetamax裁判が許可した個人録画の範囲であり,著作権上の問題は無く,コンテンツ事業者もポジティブだと言っていた。

しかし,この考えは甘かった様で,映画スタジオのTwentieth Century Fox, Universal Studios, Paramount Pictures, The Walt Disney Co.,それにTVネットワークの ABC, CBS, NBC,CNN等はニューヨークの地方裁判所でCablevisionに対する訴訟を起こした。原告側はRS-DVRと言う名称は,このサービスをDVRの様に思わせるが,実際はCablevisionが許可無しで行っているVODのサービスであるとして訴えている。これに対して,CablevisionはRS-DVRはその名の通り,DVR技術の延長であり,通常のDRVではストーレッジがSTBにあるのに対して,RS-DVRではサーバー側にあるだけで,個人ユースの範囲内であると反論している。

ケーブルTV事業者はCablevisionのRS-DVRのテストを行うとの発表に称賛を送り,この裁判の行方を注目している。もし,これが個人ユースの範囲内と見なされれば,他の事業者もネットワークベースのDVRサービスを始めるであろう。

MystroTVを諦めたTime Warner Cableはその技術を使い「Start Over」と呼ばれるサービスを始めた。Start Overでは番組の放送時間に限って,その番組を最初から再スタートをする事が出来る。放送時間後ではStart Overは不可能であり,また番組の提供はリニアで,早送り(広告スキップ)は出来ない。MystroTVサウスカロライナでテストが始まり,最初,協力を得られたのはNBC Universal系のネットワークだけであったが,現在では他のケーブルネットワークも指示をし,62のチャンネルでStartOverが出来る。Time Warner Cableはこのサービスを新たにノースカロライナのグリーンズボローとテキサスのサンアントニオでも提供を始めると発表している。

インターネット中立性法案

下院議会司法委員会は5月25日に20対13でインターネット中立性に関わる法案を議決した。この法案はインターネット中立性を独占禁止法の一環として見,ブロードバンド事業者が特定のインターネット事業者のデータを優先的に取り扱うことを禁止している。司法委員会では6月にこの法案を新通信法案の一部にすることを議会で投票する事を予定している。別途,下院議会エネルギーと通商委員会でも通信法改正の一部としてすでにインターネット中立性の法案をまとめている。インターネット中立性は大きな話題になっている。ブロードバンド事業者が契約を行ったインターネット事業者のビデオパケット等を優先的に伝送する事はインターネットの中立性を侵す物だとしてGoogle,Yahoo等のインターネット事業者,消費者団体等が猛反対をしている。ブリードバンド事業者はサービスとしてQoSを提供することは情報を不公平に扱い,一部を排除する事にはならないとし,ブロードバンドの普及を高めていくには,その事で恩恵を受けるビデオサービス等のQoSを必要とする事業者はその分,多く支払うことが公平だと説明している。しかし,特定の事業者のパケットを優先的に伝送することは,それ以外の事業者のパケットが差別され,受けられなくなるかも知れないと言う反対派の感情的な議論が現在では勝っている。

下院議会ではこの反対派の支持が多いが,上院議会ではこれまでインターネットの中立性としてはFCCに対して年1回の調査を命じる物だけしか提出されていない。しかし,より厳しい内容を求める世論に押され,上院の通商委員会でも特定事業者のデータを優先する事を禁じる案が検討され始めている。

IPTVはケーブルTVでは無い

電話事業者の多チャンネルサービス参入に対するこれまでの論争は電話事業者への参入を容易にするために州(あるいは全国)レベルのフランチャイズを許すかであった。これは電話事業者の多チャンネルサービスはケーブルTVであると見なされ,フランチャイズ取得が必要になるとの前提である。テキサスを始めに,幾つかの州で州単位のフランチャイズを許可する法が通過,あるいは議論されているが,コネチカット州は電話事業者は対してはフランチャイズを不要にする事を検討している。これはIPTVは情報サービスであり,ケーブルTVサービスでは無いと見なすと定義するものであり,これまでAT&Tが言っていたポイントをサポートする物になる。コネチカット州の公共企業委員会(Public Utilities Commission)は6月にこの決議をする予定である。

アラカルト法案

ケーブルTV事業者に対して個々のチャンネルを選んで加入出来る,アラカルトメニュー方式の提供を義務付ける法案を共和党上院議員のジョン・マッケインが準備している。マッケイン上院議員はアラカルトメニュー方式は英国,インド,カナダ,香港で提供されており,消費者の選択の自由を提供する物だとしている。ケーブルTV事業者はこれは不必要な物であり,逆に値上げにつながると反対をしている。