Netflix加入者減少は起きるか

NetflixのQ1の全世界の加入者数は400万人増えただけで、2.076億人となり、Netflixが目標としていた2.1億人を下回った。北米(アメリカとカナダ)の加入者数は44万人増え、7439万人となった。パンダミックによりテレビを見る時間が増えたことで、2020年のQ1は231万人、Q2は293万人増えたが、その後の成長は鈍り、Q3は18万人、Q4は86万人であった。

今後、Netflixの加入が減少し始める可能性はあるのか。Netflixは加入者成長が鈍かった理由はCovid-19の影響で新しいコンテンツ制作に遅れが出ていることだと指摘している。Disney、NBCUniversal等の大手コンテンツ事業者が独自のOTTサービスを開始することでNetflixがライセンスしているコンテンツ数は減少している。例えば、NBCUniversalがPeacockを始めたことで、NetflixはNBCの大ヒット作品で、常にNetflixで最も見られているコンテンツのトップ10に入っていた「The Office」(2005年~2013年)等を1月に失った。The Office だけで、Netflixは198本のエピソードを失っている。

失った作品を埋めるオリジナルの新作があればいいが、パンダミックによりコンテンツ制作が遅れている。ウェブサイトのWhat-on-Netflix.comによると、Netflixの2021年のQ1の新作コンテンツ(シリーズ物のエピソード数と映画の本数)は159本で、昨年同期の180本から12%もダウンしている。

コンテンツ不足は解消するが、もう1つ問題がある。それはDisney+、HBO Max等の大きな競合の登場である。現時点では、視聴者は加入するサービスを増やしており、激しい奪い合いは起きていない。Leichtman Research Group(LRG)が6,262人を対象に行なった調査によると、アメリカの82%の世帯はトップ11のSVODサービスの最低、1つを利用しており、51%は3つ以上のサービスを利用している。しかし、コンテンツを見る時間、それにビデオ・エンターテイメントに使える予算には限りがある。Reelgood.comによると、OTTビデオの総視聴期間におけるNetflixのシェアは2020年Q2では32%であったのが、2020年Q4では22%に落ちている。Netflixのコンテンツを見る時間が減れば、脱退する人は増える。


Reelgood

Deloitteの調査によると、SVODサービスのチャーン率はパンダミック前では20%であった。パンダミックによりビデオ視聴時間が増え、チャーン率は14%に落ちたが、今年の2月では36%に増えている。Netflixはこれまではチャーンが少ないサービスであった。Antennaによると、2020年Q4におけるNetflixの月間チャーン率は2.5%と低かった。しかし、Disney、NBCUniversal、WarnerMedia、ViacomCBS等はOTTサービス向けのコンテンツ予算を増やしている。Reelgoodによると、2021年で最もコンテンツの数を増やしたのはHBO Maxであった。コンテンツの追加ではNetflixは2020年Q4から4位落ち、8位になっている。Netflixの地位は安泰とは言えなくなっている。


Antenna

加入者を増やすために、Netflixはアカウント共有の管理を厳しくしていく予定である。LRGによると、SVODサービスのアカウントの27%でパスワードが共有されている。13%はSVODサービスの料金を払っているが、世帯以外の人にも利用させている。12%は別の世帯が加入しているアカウントを利用しており、支払いをしていない。2%は複数の世帯がコストを分担している。アカウント共有を困難にすれば加入者は増えるはずである。しかし、管理を厳しくすると、利用しづらくなり、利用者の不満が増え、キャンセル者を増やすリスクもある。