NetflixとComcast等のISP事業者は回線の接続で以前から争いをして来たが、NetflixはComcastに対して接続料を払うことで契約した。その数日前に、Wall Street Journal紙は、VerizonとNetflixが同様な問題で争っている事をニュースにした。Netflixは、Verizonがトラフィックを遅らせているとWall Street紙に語った。この接続問題はVerizon等のブロードバンド事業者がそのラストマイルでNetflix等のサービスを後回しにしているかのネットワーク中立性問題では無くISP同士のピアリングの問題で、ビデオ配信以外でも以前から問題があった。
ISPは通常は無料で他のISPのトラフィックを扱っている。ISPのAからBに流れるトラフィック量とBからAに行くトラフィック量は平均すればほぼ同じであり、お互いに無料で相互接続をしている。しかし、それはお互いに同じような種類のデータを扱っている事が前提で、片方がNetflixにネットワークを提供しているCogent等だと話が違う。Verizon等のブロードバンド事業者からCogent経由でNetflixのサーバーに行くのは検索等の文字データであり、大した容量ではない。しかし、帰ってくるデータは何GBのビデオである。データ量は、Cogentからブロードバンド事業に行く方が一方的に多く、平均すれば同じ量になると言うピアリングの基礎は成り立たない。Cogentは過去にも同じような問題でISPと争いをしている。
ブロードバンド事業者はその加入者がNetflixに加入しても儲からないが、Netflixの画質が悪くなるとクレームが増える。ISPはNetflixに対してピアリングによる無料接続ではなく、有料接続にする事を求めてきた。これに対して、Netflixは中間にCogent等を使わずにブロードバンド事業者が直接にNetflixのネットワークに接続するOpen Connectを提供してきた。Open ConnectはISPのエッジにNetflix専用のキャッシュアプライアンスを置くので、画質を向上させる事にもなる。しかし、Netflixから接続料を得る事は出来ない。また、Open Connect自体は無料だが、ISPには間接コストがかかる。Open ConnectをするためにはISPはOpen Connect専用のアプライアンスを置くためのスペースを提供し、電気代等を払う事になる。これまでOpen Connectを採用しているのは中小ISPで、大手のComcast、Verizon等は拒否をしていた。
今回のComcastとの契約で、Netflixが支払う金額は公表されていないが、年間数百万ドル規模でであろう。Netflixに取り、無料のOpen Connectの方がベターである。しかし、Comcast等の大手ISPと直接接続をすれば、Cogent等の通信事業者への支払いは減る。Google等はすでに接続料を払っており、Netflixもこれを逃れる事は出来ない。Netflixに取り画質の良いサービスを提供する事が重要になっている。いくらNetflix加入者が高速なブロードバンドサービスに加入していても、途中でデータが迂回していたのでは画質は悪くなる。より良いHDの画像、さらには4Kを提供するには直接接続が必要になる。
Comcast、他のISPに取り年間数百万ドルは大した収入ではない。Comcastに取り、Netflixと争い、FCCに睨まれてTime Warner Cable買収が拒否される事は避けたく、協力するした方がベターとの打算もあるであろう。Netflixの画質が良いことは宣伝になり、ブロードバンドの加入者が増える可能性もある。また、Netflixとの契約が出来れば、Hulu等他の事業者に対し同様な契約をすることのプレッシャーにもなる。Comcastが合意した事で、AT&T、Verizon等とNetflixの交渉も進んでいる様である。
