Googleのエリック・シュミットは、GoogleはそのパテントだけのためにMotorola Mobilityを買ったのではないと強調しているが、そのHome部門(ケーブルTV機器部門)をキープするとは思えない。Google TVがあるので、STB事業はGoogleに取り、全く無関係ではない。しかし、Home部門の製品はSTBだけではなく、ネットワーク、それにヘッドエンドで使われるエッジQAM、エンコーダー、デコーダー、オンデマンド・システム等の機器がある。これら製品とGoogleの事業にはかなりの距離がある。6月末にMotorola Mobilityの社長、ダニエル・マロニーが退陣した。その後継として、Home部門のエクゼクティブVPとして、ケーブルTV事業者、Charter Communicationsの元CTOのマーワン・ファワーズが就任した。これは、Home部門を売る準備のために、ケーブルTV事業者の元エクゼクティブをトップに置き、Home部門を独立させておく為だと考えられている。Home部門のクライアントはケーブルTV事業者であり、彼らからのサポートを失ったら、買い手は付かない。
もし、GoogleがMotorola MobilityのHome部門を売るとした場合、誰が買うか? 噂(期待?)のトップに出ているのは、エド・ブリーンである。ブリーン氏はMotorolaが買収したケーブルTV機器メーカー、General Instrument(GI)のCEOで、買収後はMotorolaのエクゼクティブであった。現在、Tyco InternationalのCEOである。ケーブル業界内には、エド・ブリーンがHome部門を買い、GIが元に戻る事に対する期待もある。もし、ケーブル事業者がMotorolaを必要としているのであれば、Comcast、Time Warner等がブリーン氏を後押し、投資をするとの考えもある。
STBビジネスとして考えた場合、最も可能性があるのが、イギリスのPaceである。Paceはすでに世界でナンバー1のSTBベンダーであり、Motorola MobilityのHome部門を得れば、圧倒的なシェアになる。Paceの弱みは、STB専門であり、ヘッドエンド(ネットワーク)技術が無く、トータルソリューションが提供できないことだが、Home部門の買収でこれを解消することが出来る。
ケーブルTVのネットワークインフラで知られるCommScopeも可能性がある。CommScope、プラス、Motorola MobilityのHome部門は、協力な組み合わせになるだけでなく、CommScopeの裏には、大手投資会社のThe Carlyle Groupがおり、エド・ブリーン、あるいはPaceには無い資本力がある。
資本力では、中国、韓国企業も可能性がある。しかし、ケーブルTV業界はかなり閉鎖的な世界であり、最初にケーブルTV向け機器を開発し、ケーブルTV事業者とは仲間であったGI(Motorola Mobility Home)をアジア資本が買うことにどう反応するであろうか。
