HuluのCEO、ジェイソン・カイラー氏がこの四半期末で辞任をする。Huluの内部分裂が噂されている中、カイラー氏の辞任は大きなインパクトを与える。
大きなエゴを持つ、大手コンテンツ事業者のNBCUniversal、Fox、Disneyが作ったHuluが最初の数年で分裂せずに、2012年の収入が$7億ドルの企業になったのはカイラー氏の力である。Huluの最初のコンセプトに間違いは無かった。NBCUniversal、Fox、DisneyはTVコンテンツをインターネットでマネタイズする方法を求め、Huluを設立した。Huluは、合法にTVコンテンツを配信する仕組みを作り、TVコンテンツから新たな収入を得る方法を提供した。
しかし、Huluの成功は市場を変えていった。Huluの成功により、TV番組はストリーミングビデオにおける重要なコンテンツになった。Netflix、Amazon等は古いTV番組を求め、コンテンツ事業者と契約した。コンテンツ事業者に取り、Netflix等はHuluの競合でもあるが、重要なカスタマーになった。ストリーミング・ビデオの市場が大きとなるほど、NBCUniversal、Fox、Disneyに取り、Huluは足手まといになる。3社とHuluとは新しい番組に関しては独占契約であり、より良いオファーがあっても契約を出来ない。また、自社サイトを優先する事も出来ない。
Huluは2010年にIPOを検討するが、実行しない。2011年にはHuluの売却が進められるが、後一歩の時点で、NBCUniversal、Fox、Disneyは気を変える。Huluは足手まといであっても、それがGoogle等の会社の手に渡る事は、将来の大きなリスクになる可能性がある。しかし、3社のHuluに対する関心はすでに薄れている。Comcastに買収されたNBCUniversalは、Huluに対して投資はあるが、経営権は無い。Comcastに取り、NBCUniversalのコンテンツは、Huluに行くより、自社のXfinityで使いたいであろう。Disneyは、すでに多チャンネル側のネットワークでは、ESPN Go等の視聴者に直接にコンテンツを配信する事を進めており、ABCもそのようにする事を望んでいる。Foxは、キャッチアップ視聴は、多チャンネルサービス加入者の特権とし、多チャンネル事業者から金を得る方向を向いている。
Huluの有料サービスの加入者は300万人に増えたが、全体での利用は停滞し始めている。カイラー氏は、$2億ドルの新たな投資を求めていたが、4社目のパートナーであったProvidence Equityが昨年末に手を引いたことで、Huluは$3.38億ドルの借金をする必要がでて、新たな投資の可能性はほぼ消え失せている。
カイラー氏ともにも、CTOのリッチ・トム氏も辞任を発表している。Huluには、カイラー氏のAmazon時代、あるはHarvard Business School時代の知り合いが多くおり、カイラー氏と共にHuluを去る可能性がある。単にCEOとCTOが変わるのではなく、キーである人材が大きくと変わる可能性がある。そして、NBCUniversal、Fox、Disneyはこれを機に、Huluとの関係を変えていくであろう。
