FASTの広告規模

Pluto TV、Xumo等のストリーミングでのリニア配信サービスのFAST(Free Ad Supported TV)が普及し始め、AVODサービスのTubi、Roku Channel等もFASTを加えている他、NBCUniversalのPeacockにもFASTが含まれている。FASTの広告規模はどの程度であろうか。

eMarketerの統計では2021年のコネクテッドTV向け広告の規模は$134億で、テレビ放送広告の$659億の5分の1程度の規模になっている。Nielsenによると、無料のストリーミング・サービスの視聴時間に占めるリニア配信(FAST)のシェアは20%程度である。このシェアを広告にも当てはめると、FASTは$27億程度になる。しかし、コネクテッドTV向け広告にはHulu等の広告付きSVODサービスも含まれており、無料サービスだけではない。コネクテッドTV広告の内、AVODのシェアは約50%であるので、$134億の10%程度の$13億程度がFASTの広告規模となる。

テレビ放送広告は2019年の$706億から2025年には$47億減るとeMarketerは予測している。2025年のコネクテッドTV広告の規模の予想は275億である。CTV広告に占めるFASTのシェアが10%のままであれば、リニア放送広告の減少はFASTでは埋まらない。20%程度に増えれば、FAST広告は$55億となり、放送広告の減少をカバー出来るが、大きな成長ではない。

FASTの広告がリニア放送広告の減少を補うことが出来るかと言う質問に問題がある。FASTはリニア配信であるが、マルチキャストでは無い。リニア配信とは言ってもFAST視聴者の殆どは番組表に合わせてFASTの番組を見るのではなく、コンテンツ発見の方法の1つとしてFASTを使っており、見たい番組があれば、途中から見るのではなく、オンデマンドで最初から見ることが多い。FASTのいサービスにはAVODがあり、AVODがFASTを加えているのは、FASTは見たい番組がすぐに浮かばないときにコンテンツを見つける機会を提供しているからである。


eMarketer

Netflixがどのような広告付きサービスを提供するかは不明だが、FASTのチャンネル提供者になる可能性もある。Netflixは多くのオリジナルコンテンツを持っており、過去のコンテンツでFASTチャンネルを作ることは可能である。最初の「House of Cards」を今、Netflixで見る人はいないであろうが、FASTであれば視聴する人もいるであろう。Netflixに取り、広告収入になり、さらに宣伝効果もある。Pluto TV等にNetflixチャンネルを提供することは抵抗が高いかも知れないが、Netflix自信が数年前のオリジナル・コンテンツを無料配信する、FASTサービスの提供は可能であろう。