多すぎるSVODサービスの問題

メージャーなSVODサービスの数が増えたことでチャーンが増加し、問題になっているが、サービスが増えることは消費者にとっても問題がある。Hub Entertainment Researchによると、利用しているビデオサービス(多チャンネル、SVOD、AVOD等)の数は2018年の3個から2021年では2倍近い5.7個に増えている。調査会社のInterpretが9000人に対して行った調査では20%が「加入しているSVODサービスの数が多すぎる」と答えている。

消費者がサービスの数が多すぎると思っている理由は3つある。1つは料金である。主要なSVODサービスのNetflix($15.50)、Amazon Prime Video($9: SVODだけ)Disneyバンドル($14: Hulu広告付き、Disney+、ESPN)、HBO Max($10: 広告付き)、Paramount+とShowtime($12、広告付き)、Peacock($5: 広告付き)、Apple TV+($5)、Discovery+($5: 広告付き)に加入すると合計は$75.50になる。全部のサービスに加入している人は稀であり、実際はSVODサービスに使っている費用は$30前後である。Nielsenの調査ではSVODに使っている金額が$10~$19.99の人は15%、$20~29.99が21%、$30~$39.99が17%となっている。例え、主要なすべてのサービスに加入していても、月額が$100程度になる多チャンネルサービス(STBレンタル含む)よりは安い。


Nielsen

2つ目の問題は管理である。どのサービスに加入しているかを把握しておく必要があり、パスワードの管理も面倒である。サービス・ホッピングすることで費用を下げることが出来るが、手間は増える。Amazon、Apple、Comcast、Verizon等がSVODサービスのアグリゲーションを提供しいるが、すべてのサービスに登録することは出来なく、逆に管理が複雑になる可能性もある。SVOD事業者にはデータが重要であり、アグリゲーターと共有するのではなく、独占をしたい。NetflixがSVODで競合するAmazonのAmazon Channelを使うことはありえなく、全サービスを管理するアグリゲーターが登場することはありえない。

3つ目、そして最大の問題はコンテンツの発見である。Nielsenによるとストリーミングサービスで配信されているコンテンツ数は過去3年間で18%増え、2022年2月時点で81.7万本になっている。その31%は独占(15%がSVOD、16%が放送)であり、視聴可能なサービスは限定されている。複数のサービスの中から見たい番組を見つけることは難しくなっていおり、46%はコンテンツ数に圧倒されていると答えている。


Nielsen

Roku、Fire TV等のストリーミング・デバイスには統合検索の機能があり、見たいコンテンツがどのサービスで配信されているかを調べることが出来る。見たいコンテンツが決まっている場合は便利な機能であるが、決まっていない場合にはサービスのアプリを立ち上げ、新着、レコメンド等の中から見たいものを見つけていく必要がある。2、3個のサービスであれば、可能なことだが、利用しているサービスが5つ以上では不可能である。しかし、サービス事業者がデータ、あるいはリコメンデーションのアルゴリズムを共有することはなく、複数のサービスの中からコンテンツ見つけるソリューションを作ることは困難である。