ComcastはXfinity Flexと呼ばれるコードカッター向けのサービスを発表したが、これはSling TV、DirecTV Now等のOTTでの多チャンネルサービスでは無い。Xfinity FlexはDiscovery、CNN、ESPN等の多チャンネルサービスのチャンネルを提供していなく、AVODのTubi、OTTでのリニア配信サービスをアグリゲートしているXumo、ESPN3等を利用可能にしている。また、加入していればSVODのNetflix、Amazon Prime Video、HBO Now等も見ることが出来る。
Xfinity Flexを利用するにはComcastのインターネットサービスへの加入が必要であり、WiFiゲートウェイもComcastの製品が必要になる。そして、さらに月額$5で専用のストリーミング・プレーヤを借りる必要がある。OTTビデオサービスはどのインターネットサービスでも良く、さらに様々なデバイスで視聴出来る事が特徴である。Xfinity FlexはOTTビデオを視聴出来るが、プラットフォーム自体はOTTではない。
結局は、Flexのストリーミング・プレーヤはQAMとDVR機能の抜けたX1である。X1と同じ様に音声検索の機能があり、X1と同じにPandora等のアプリが走る。XfinityのAVODも利用出来で、Xfinityの有料VODも使える。これら機能を提供するためにはComcastの回線とゲートウェイが必要になる。Xfinity FlexはケーブルTVの無いケーブルTVサービスである。
ComcastはX1のプラットフォームを使い、スマートホームのサービスを提供しているだけでなく、映画のデジタル購入、Netflix等への加入、チケット等の購入等、新たなマネタイズの方法を加えている。問題はこれらサービスが利用出来るケーブルTV加入世帯数は縮小していることである。ARPUを増やすには、これらのサービスをケーブルTV加入者だけでなく、ブロードバンドだけに加入している世帯にも使えるようにする必要があり、Xfinity Flexはそのためのプラットフォームである。
ComcastはXfinity Flexにより、ケーブルTVと同じようなマネタイズをコードカッターからも出来るようになる。もし、利用者がケーブルTV同等のサービスを求めれば、ブロードバンドでケーブルTVの提供も出来る。Comcastはすでに地上波を含むTVチャンネルを自社のブロードバンド上で提供しており、Xfinity FlexでもケーブルTVサービスを提供可能である。Comcastには都合の良いプラットフォームであり、X1をライセンスしているCoxも同様なサービスを開発している。
だが、利用者として、毎月$5を支払う価値があるか? Tubi、XumoはXfinity Flex無しでも無料で見られる。ESPN3もComcast以外のブロードバンドでも提供されている。Xfinity Flexのストリーミング・プレーヤは4K対応で、音声検索が出来る。しかし、Fire TV Stickの4K版は$50で買え、音声検索だけでなく、Alexaの機能が使える。XfinityのAVOD、TVODが使えるが、同様のコンテンツは他のサービスでも見る事が出来る。NBCUniversalがSVODを開始し、それが$5のFlex料金内で使えるようになれば、メリットはあるかも知れないが、現時点では、他のデバイスでも見られるコンテンツの為に毎月$5を払うサービスである。
