ComcastがMVPDネットワークを分離

Foxには先見の眼があった。2019年にFoxはスポーツとニュース以外の多チャンネル(MVPD)向けネットワークをDisneyに売った。コードカッティングにより多チャンネル・サービスは視聴者を失っている。最近、Paramount GlobalはMVPD向けネットワークに対して$60億の減損処理を行い、Warner Brothers Discoveryは$91億をライトオフした。そして、11月にComcastはMVPD向けネットワーク事業を切り離すことを発表した。

MVPD向けネットワークはまだ黒字であるが、いずれかはComcastにとって足まといになることは確実である。ComcastはすでににNBCSN、Olympic Channel、Universal HD等の8つのチャンネルを終了させている。今回のスピンオフの対象は残りのMSNBC、USA Network、E!、Golf Channel等、Bravo以外の全MVPD向けネットワーク、映画チケット販売サイトのFandango、映画評価サイトのRotten Tomatoes、ゴルフ場予約サイトのGolf Now、それにユーススポーツ向けプラットフォームのSportsEngineが含まれる。NBCUniversalに残されるのはテレビ関連の事業は地上波ネットワークのNBCとそのスタジオ、スペイン語地上波ネットワークのTelemundo、大都市のNBCとTelemundo局、NBC News部門、NBC Sports部門、Peacock、それにMVPD向けネットワークのBravoである。Bravoの「Real Housewives」等のリアリティー番組はPeacockでの視聴も多く、NBCUに残される。

NBCUとの関係は継続されるので、NBCの作品、あるいはNBCが権利を持つイギリスのプレミア・リーグの放送等は引き続きスピンオフされるネットワークで放送される。しかし、NBCのブランド名が含まれるMSNBCとCNBCの名称は変わる可能性がある。また、NBC Newsと取材が一緒になっているMSNBCとの関係をどうするのも明らかにはなっていない。

スピンオフされた会社のCEOには、NBCUniversal Media会長のマーク・ラザラス任命されている。分離された理由はM&Aを行いやすくするためである。新会社には大きな負債はなく、かなりの売上がある。2023年のNBCU Media(NBCも含む、全ネットワーク、プラスPeacock)の売上は$253.6億で、$29.6億の収入があった。この半分程度が、NBC、Telemundo、Bravo、それにPeacockの収入であるので、スピンオフされる会社の年収は2023年レベルでは$225億程度になる。

ラザラス氏はスポーツ関連、あるいは放送局所有会社を買収する可能性を示唆している。また、Comcastからは別会社になっているので、買収の対象にもなる。MVPD向けネットワークはまだ儲かっている事業であり、プライベート・エクイティー会社等が狙うであろう。Paramount Global、DirecTVのMVPD向けネットワークを手放す可能性があり、彼らはこれらも買収し、集約することを狙っている。


Comcast(オリンピック関連は含まない)