CESで見えたトレンド(2)

スマートホーム(それにウェアラブル)はここ数年で大きな進歩があった。音声操作がコントロールの問題を解決し、データをクラウドに上げ、AIで処理する事でインテリジェントが大きくとました。例えば、昨年には宅配便の荷物がドアの前に置かれた事を認識し、それを通知することが出来るドアベルカメラが登場した。

今年はさらにAIの利用が進むかと思っていたが、停滞気味であった。それは、セキュリティーの問題が原因している。ハッキングによるデータの流出、それにサービス事業者によるユーザの承諾無しのデータ利用が話題になり、すべてをクラウドに上げる事に対する懸念が増している。

AppleはCESには参加していないが、今年は会場近くのホテルの壁に「What happens on your iPhone stays on your iPhone」(iPhoneでしたことは、iPhoneにとどまる)との広告を設置し、プライバシーの重要性を訴えた。タイミング悪く(Appleにはタイミング良く)CESの最終日にAmazonが買収しているRing(ドアベルカメラの会社)が撮影した映像を社内で利用したことがニュースになった。Ringは物体の認識力を高めるために映像を利用したと説明しており、映像の共有を承諾している加入者だけだと、説明しているが、利用した映像には共有の対象では無いはずの室内も映像も含まれ、さらにそれを行った部署がサイバー・クライムの温床と言われるウクライナにあったことも問題視されている。

自分が書いた文章、撮影した写真をクラウドに置くのとは異なり、スマートホーム、それにウェアラブルデバイスからクラウドに送られているデータは何であり、それがどのように処理されているかをユーザが知ることは難しい。また、1つのデバイスから得たデータは他愛ない物であっても、家中、そして身につけている様々なデバイスからのデータが集まることでプライベートであるべきことも推測可能になる。

処理をデバイスレベルでで行う動きもある。視覚障害者向けのカメラ付きメガネのOrCam MyEyeはクラウドを一切使わずに、文字認識から顔認識までをすべてデバイスレベルで処理をしているが、多くのデバイスはローカル処理をしても、データは最終的にはクラウドに送っている。便利であることが優先で、プライバシーは気にしない方向に進むのが、あるいはプライバシーが重視されるかにより今後の「スマート」テクノロジーの方向が変わる。