Satellite Television Extension and Localism Act Reauthorization (STELAR)が下院と上院を通過し、大統領が署名をした事で、CableCARD規制は1年後に廃止になる。STELARは衛星事業者の地上波再送信に関する法の更新であるが、CableCARD等の他の放送関連の項目も含まれている。法案はすでに、下院と上院を一度通過したが、内容が上院と下院の案では内容が異なったため、調整をし、再度通過させる必要があった。
CableCARD規制はSTBを標準化し、小売を可能にする事を目的とし、 ケーブルTVのSTBにCASを内蔵する事を禁止し、CableCARDとして提供する事を義務付けている。CableCARD規制によりSTB、あるいはデジタルケーブル対応のテレビの販売は可能になったが、売れず、CableCARD法は不成功であった。
消費者はSTBをレンタルしている事に特に不満を持っていない。衛星等の競合サービスに乗り換えた場合、購入したデジタルケーブルのSTBは無駄になる。毎月レンタル料は払うが、故障しても交換してくれるレンタルの方が楽と思う利用者が殆どである。
規制によりケーブルTV事業者がレンタルするSTBのCASもCableCARDで提供する必要あるため、STBのコストが上がり、ケーブルTV事業者から文句が出ていた。CableCARDは5000万台以上のSTBに導入されているが、小売のSTBに導入されているのはたったの62.3万台であり、その殆どはTiVoである。CableCARD対応のテレビも出たが、殆ど売れなかった。
TiVoはCableCARDの恩恵を得た会社であり、規制廃止に対して反対はして来た。しかし、TiVoもCableCARDが陳腐化している事は認めており、今後はケーブルTV事業者との協力でダウンロード可能なCAS等を検討して行くと語っている。一部の消費者団体は、CableCARD規制の廃止前に、これに替わる方式を規制化する事を求めていたが、議会のサポートを得る事は出来なかった。FCCは2010年にヘッドレスSTB(ゲートウェイ)とIPベースのクライアントで構成されるAllVidと呼ばれる方式を提案したが、この案は進歩していない。
AllVidは多くの多チャネルサービス事業者が取り入れているマルチルームDVRとほぼ同じである。例えば、TiVoをヘッドレス(TV向け出力無し)にして、TiVo Mini以外のクライアント(例えばApple TV)でも使えるようにすれば、AllVidのコンセプトになる。しかし、AllVidの規制化には反対意見も多い。CableCARDが最初に検討された時点では、多チャネルサービスの殆どはケーブルTVで、衛星もIPTVも登場していなかった。しかし、規格化、規制化が行われている間に、ケーブルTVに競合する衛星事業者、電話事業者の登場し、ケーブルTVだけに対応したCableCARDは規制が決まった時点で、すでに陳腐化をしていた。同じように、AllVidを規格化し、規制とする間に多チャンネルサービス業界の変化は続き、再度、無駄な規制を作る事になる可能性もがある。
