Binge Watchingの影響

先月号でも書いたようにBinge Watching(まとめ視聴)はオンラインビデオでは当たり前になっている。番組が面白ければ、続きを見続けることが出来るのがオンデマンドの魅力であり、Binge Watchingが増える事は当然である。しかし、オンラインビデオでBingeする事は、テレビ視聴も影響を与えるのであろうか。

New York Times紙の記事(http://www.nytimes.com/2013/10/07/business/media/dvrs-shift-tv-habits-and-ratings.html?_r=1&)によると、9月に始まった今期のテレビシーズンではさらにタイムシフト視聴が増えている。単にタイムシフトでの視聴が増えているだけで無く、放送から4日以後の視聴が増えていると報じている。これは、単に番組にキャッチアップするまでの時間が長くなっているだけの事かも知れない。しかし、Binge Watchingの習慣がテレビ放送の視聴にも現れ始めている可能性もある。

もし、テレビでもBinge Watchingのが進むと、これはテレビ放送のビジネスモデルに大きなインパクトを与える事になる。有料チャンネル以外は、広告収入がテレビ放送の支えである。視聴者統計として、7日間(あるいはそれ以後も)調査をしているが、スポンサーが気にするのは放送から3日以内の視聴である。4日以後の視聴では広告キャンペーンの効果が薄れる可能性があり、また、広告がスキップされる可能性も増える。

これまでは、タイムシフト視聴の殆どは放送の同日、あるいは翌日であった。殆どの番組は放送の3日後までに視聴されていた。4日後以降の視聴が増えていくことは、広告収入に影響を与える事になる。もしも、Binge Watchingであると、番組を見るまでに2週間以上の時間が空く可能性がある。同じタイムシフト視聴でも、2日遅れでも継続的に番組を見ているのと、1ヶ月分を録画して、まとめて見るのでは、大きな違いがある。1ヶ月間分のまとめ見では、広告のインパクトはかなり低くなるであろう。

Binge Watchingが増えると、DVR視聴ではなく、オンラインでの視聴が好まれる可能性が増える。これもネットワークに取り、困った問題である。番組をオンラインで提供する前提は、人々はこれをキャッチアップの為に使い、いずれはリアルタイム(あるいはニアタイム)でその番組を視聴する事である。オンライン配信での広告収入が低くても、それがリアルタイム視聴に結びつくのであれば、問題は無い。しかし、視聴者がオンライン配信を見るのはまとめ見のためで、放送にキャッチアップする意思がなくなったら、このビジネスモデルは成り立たない。

New York Times紙が発表した調査(http://www.poynter.org/latest-news/mediawire/225528/hird-of-
millennials-watch-no-broadcast-tv/)は、20代の34%は殆どテレビ放送を使わずにオンライン配信を使っている。テレビ番組を見るのにしても、放送では無く、オンラインでの配信を使っている。彼らはテレビネットワークのキャッチアップサービスは使っているが、リアルタイムの放送にキャッチアップはしていないことになる。