Netflixの競合と言うとAmazonとHuluの名前が出るが、Netflixの最大の競合はHBOである。HBO等のプレミアム(有料)チャンネルとNetflix等のSVODサービスは基本的に同じである。どちらもオリジナルコンテンツ主体の有料サービスである。プレミアムチャンネルは多チャンネルサービス上のサービスで、SVODはインターネットと言う違いはあった。しかし、今はHBO等をインターネットで利用する事が出来、NetflixをComcast等の多チャンネルサービス事業者のSTBで見る事が出来、この違いは消えている。NetflixがHBOの地位を奪い、ナンバーワンになった訳であり、NetflixはHBOを競合とし、警戒している。
Netflixに取り、AT&TのWarnerMedia買収はいい事ではない。AT&Tは古いとは言え、テクノロジー会社であり、HBOを活性化させる力がある。AT&T WarnerMediaの新しいボスのジョン・スタンキーはHBOの社員を集め、HBOの質を失うこと無く、コンテンツの幅を増やすように命じた。HBOは数多くの名作を作っているが、Netflixの様な品揃えは無い。HBOがNetflixに勝つには名作だけでなく、アニメ等も含めた多様なコンテンツが求められる。
しかし、それにはAT&TはHBOのコンテンツ予算を大幅に増やす必要がある。HBOのコンテンツ予算は$25億である。これに対して、Netflixの年次報告書では今季のオリジナルコンテンツ予算は$80億となっている。The Economistの推定では実際の金額はこれを大きくと超え、今年度では$130億を使うと推測している。The Economistによると、Netflixは今年に82本の長編映画を制作する。これに対して、Warner Brothersは23本、Disneyは10本の予定である。Goldman SachsはNetflixののコンテンツ予算は2022年には$220億に達すると予測している。
AT&TがHBOのコンテンツ予算を大幅に増やすこと無く、コンテンツの大量生産をした場合、クオリティは下がり、HBOの優秀なクリエイター達が脱出してしまうであろう。しかし、WarnerMediaにはHBO以外にも多くのコンテンツ資産がある。Warner Brothers、Turner Broadcasting System、Cartoon Network、DC Comic、DramaFever等のコンテンツ資産をHBOで束ねれば、ハリウッド映画とHBOオリジナルからコミック、アジア系ドラマまでがあるサービスにする事が出来る。部門的にはHBO、ベーシックTVネットワークのTurner 、それに映画スタジオのWarner Brothersは異なる。これを再編成することはTime Warnerの時代では難しかったが、今がそれが可能であり、AT&TはHBOを大きなNetflixの競合にする事が出来る。
