Amazonでは何でも買えると言われるが、Apple TVとGoogle Chromecastは買えなかった。2015年にAmazonはApple TV、それにChromecastはAmazon Prime Videoをサポートしないとの理由で販売を停止した。しかし、12月にAmazonは再度、Apple TVとChromecast取り扱う事を発表した。
Amazonのハイテク製品の売上規模は大きく、両製品の販売にかなりの影響を与えたはずである。特に、Appleには大きな影響があった。最初のストリーミング・プレーヤはRokuとApple TVで、それぞれが50%近いシェアを持っていた。そこにAmazonのFire TVとChromecastが参入し、大きな変動があった。現在では1位と2位はRokuとFire TVで、ChromecastとApple TVはほぼ同じシェアで3位である。Apple TVのシェアは多くと落ちた訳である。これは、Apple TVが高価な事と、バージョンアップが遅かった事もあるが、Amazonで買えなくなった事もかなり影響をしている。
Apple TVのハードウェアとしても売上はApple全体としては微々たるもである。しかし、iTunesのビデオ戦略には重要なコンポーネントである。iTunesで映画を購入出来るが、それを大きな画面で見るのはApple TVが必要である。Appleもビデオコンテンツに力を入れ始めており、オリジナル番組の制作も始めており、4Kにも積極的になっている。しかし、いくら4Kをアピールしても、4Kテレビで見る事が出来なければ無意味である。Apple TVを買いやすくしないと、Appleのビデオ戦略は進まない。Appleは6ヶ月前にApple TVでPrime Instant Videoをサポートする事を発表し、12月にアプリがリリースされ、これに応え、AmazonもApple TVの販売を開始した。
GoogleのChromecastに対する影響はAppleより少なかった。Googleのコンテンツ戦略は、Android端末(スマートフォンとタブレット)がベースであり、AmazonがChromecastを取り扱ってくれなくても、Android端末が売れていれば支障は少ない。GoogleはPrime Instant VideoがChromecastに対応していないのは、Amazonが避けているのであり、Googleの責任では無いとして、挑発を無視してきた。
しかし、AmazonとGoogleはスマートスピーカで真っ向から戦い始めた。AmazonはGoogle Homeも扱っていない。これはスマートスピーカでAmazonに挑戦しているGoogleとしては大きな不満になっている。さらに、AmazonはGoogleのスマートホーム製品のNestの一部もAmazonでも販売を中止した。GoogleはAmazonの動きを無視出来なり、反撃としてAmazonのFire TV、それにEchoにディスプレイを搭載したEcho ShowからYouTubeビデオへのアクセスを出来なくした。
これは効き目があった。Fire TVでYouTubeが見られなくれば、利用者の不満は高い。GoogleがYouTubeへのアクセスを停止すると発表した数日後にAmazonは折れ、Chromecastを販売すると発表した。しかし、交渉はまとまらず、販売は始まっていない。Googleは1月1日からFire TVとEcho ShowからのYouTubeへのアクセスを切ると言ってが、前倒しし、12月29日にアクセスが切られた。Fire TVではFirefoxとSilkブラウザーがあり、YouTubeアプリが使えなくなってもYouTubeを見ることは出来るが、Echo ShowではYouTubeビデオを見る方法は無い。
通信事業者のロビー団体のUSTelecomは「ブロードバンドサービス事業者はその加入者にオープンなインターネットを提供する事に専念しており、コンテンツの妨害、意図的な遅延等は行わない。しかし、大手インターネット事業者が同じことを出来ないのは皮肉だ。」とこの騒動をネットワーク中立性問題と比較し、批判している。
