コネクテッドTV

Netflixの加入者数は3000万世帯に近づいており、長編ビデオコンテンツのインターネットでの視聴が増えている。OTTビデオは様々なプラットフォームで視聴可能であるが、長編のコンテンツの視聴にはテレビがやはり適している。テレビによるOTTビデオコンテンツの視聴が増える事に対する疑いは無いが、いかにしてテレビをインターネットにつなげるかに関しては明確が答えはまだ無い。

現状ではゲーム機の利用が多い。ゲーム機はすでにテレビとインターネットの両方に接続されており、ゲーム機を持っている世帯であれば、最も簡単な選択肢である。The Diffusion Group社(TDG)の調査ではブロードバンド世帯の62%はOTTビデオ再生可能なゲーム機を持っている。インターネットビデオの視聴を最初に始めた世代は、ゲーム機を使っている世代でもあり、コネクテッドTVとしてゲーム機がポピュラーになって当然である。

しかし、ゲームをしない世帯が、OTTビデオの為にゲーム機を購入する可能性は低いであろう。MicrosoftのXbox Oneは、エンターテイメント性を売にしているが、ゲームにまったく興味が無い人へのアピール度は低い。コネクテッドTV世帯が増えていると言うことは、ゲーム機以外の接続方法が増えている事であり、その需要は今後さらに増えていく。

1つの方法はスマートTVである。スマートTVはブロードバンド世帯の25%に普及している(TDG社)。しかし、実際にブロードバンドに接続されているには60%程度と推定されている。また、スマートTVを使っている世帯でもスマートTVの評価は高くない。Strategic Analyticsは8つの世帯におけるデジタルデバイスの利用に関する詳細な調査結果を発表している。これによると、半分の世帯はスマートTVを持っているが、インターネットメディアのメインデバイスとして使っている世帯はゼロであった。

スマートTVに対する不満は様々であるが、OTTビデオの再生として使うのには複雑すぎ、多様なエンターテイメント/情報デバイスとして使うには不十分である事が大きな問題である。スマートTVにはタブレットにあるような直感的な使いやすさは無い。単純にOTTビデオの再生として使うのであれば、Apple TV、Roku等の方がスマートTVより使いやすい。総合的なエンターテイメントデバイスとしては、スマートTVより、ゲーム機の方が上であり、また、多様な情報検索にはスマートフォン、あるいはタブレットがより適している。

これはスマートTVメーカも理解をしており、Samsungは先進的なストリーミング・メディア・プレーヤのBoxee社を最近買収している。Boxee TVは、OTTビデオだけでなく、地上波チューナも搭載し、地上波番組をクラウド上に録画する事も出来る。しかし、Samsungは買収とほぼ同時にBoxee TVのクラウドDVRサービスを中止しており、ストリーミング・メディア・プレーヤとしてBoxeeを買ったのでは無が明らかになっている。SamsungはBoxeeのソフトウェア技術をスマートTVに活かそうとしている。

ストリーミング・メディア・プレーヤの普及率はブロードバンド世帯の12%であり、スマートTVの半分以下であるが、スマートTVの実際の利用を50%とすると、OTTビデオの視聴としてはストリーミング・メディア・プレーヤが上かも知れない。ストリーミング・メディア・プレーヤとしては、Apple TVが圧倒的に1位である。Frost & Sullivanの調査によると、Apple TVのシェアは56.1%で、2位のRokuを大きくと引き離している。
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Frost & Sullivan
だが、Apple TVが勝利を収めた訳ではない。Googleは7月にChromeCastを発表した。ChromeCastはスティックタイプのデバイスだが、RokuのStreaming Stick等の様にそれ自体ではビデオアプリは走らないが、Apple TVのAirPlayと同様な機能を提供する。AirPlayの様に、スマートフォンから立ち上げたビデオのアプリから「Cast」を選ぶと、コンテンツはChormeCastに配信される。Cast機能は、Androidでけでなく、iOSのデバイスにも対応している。発売時点では、YouTube、Netflix、Google Playにしか対応をしていないが、Vimeo、Redbox、HBO Go、Hulu Plus等のアプリがChromeCastに対応する動きを見せている。また、Chomeブラウザーで見ているビデオをChromeCastに送る事が出来る。この場合、コンピュータがビデオをChromeCast向けにトランスコードされ、サイトからChromeCastに配信されるのではないので、画質が落ちる。

ChomeCastの大きなアピールはその$35の定価である。発表された時点では、Netflixへの3ヶ月間の無料アクセスも付いていたが、すぐに無料アクセス付きは売り切れ、ChomeCast自体も24時間で売り切れている。

ストリーミング・メディア・プレーヤにも問題がある。ストリーミング・メディア・プレーヤはスタンドアロンであり、テレビ番組との融合が無い。アメリカの多くの世帯は多チャンネルサービスに加入し、STB、それにストリーミング・メディア・プレーヤはそれぞれHDMIでテレビに接続されている。放送とOTTビデオを切り替えるのには、テレビの入力切り替え、それに複数のリモコンが必要となる。また、UIは別であるので、コンテンツの検索も別々に行う必要がある。

スマートTVのUIで多チャンネル番組の検索を可能にし、STBへの切り替が出来る製品もあるが、完全にSTBのコントロールが出来ないので、録画予約はSTBのUIで行う必要があり、特に便利になってはいない。TiVoの様にSTBとOTTビデオの機能を1つのデバイスで持つ事が出来れば良い。しかし、多チャンネル事業者として自社のVODを使うのではなく、Netflixが使われるのは嫌な事であるので、多チャンネル事業者がレンタルしているSTBが幅広いOTTビデオサービスに対応する様になる可能性は低い。ケーブルTVとインターネットビデオを融合させているSTBとしては、TiVoが最高であるが、ケーブルTV事業者がレンタル提供しているTiVoからはNetflix機能は利用不可能になっている。買うのにはTiVoは高く(Premiere 4で$250)で、毎月$15のサービス料がかかる。テレビをいかにしてインターネット接続させるかの答えは、簡単には出ないかも知れない。