Aereo対地上波放送事業者

Aereoの裁判は、地上波放送事業者とインターネットビジネスとの争いの象徴の1つである。非営利ネットワークのPBSを含めた、地上波ネットワーク、それにニューヨークの地上波放送局は、控訴裁判所に対して、先日の判決に対する大法廷での再審査を求めた。控訴裁判所は、地上波放送事業者が求めているAereoのサービスに対する中止命令の申請を却下している。地上波放送事業者は、Aereoは無断で地上波を再送信していると訴えている。

Aereoは同社のサービスは、CablevisionのRemote DVRと同じで、個人向けアンテナを使っているので、公共での上演ではなく、個人利用の範囲だと説明していおり、ニューヨーク法廷はこれを支持している。地上波ネットワークは、Aereoのサービスはテレビ産業に膨大なダメージを与え、大混乱を引き起こすと訴えている。

Aereoのサービスはまだニューヨーク市内で提供されているだけだが、5月末にはボストンでも開始する。同社は22都市に拡張する予定を発表している。Aereoは、コンピュータ、タブレット、スマートフォン向けの地上波再送信のサービスを月額$8で提供している。

もし、Aereoのサービスが合法となると、地上波放送事業者は大きな収入源を失うことになる。地上波放送の収入は広告だけでなく、多チャンネルサービス事業者に対する再送信料金がある。テレビ視聴世帯の85%近くが多チャンネルサービスの再送信で地上波を見ており、この多チャンネル事業者から得ている再送信収入は地上波放送事業者に取り、重要な収入源になっている。CBSの第1四半期の経理報告では、地上波再配信のライセンス料は前年同期から62%も増えている。

Aereoと同様な技術を採用する事で、多チャンネルサービス事業者はこの支払から逃れる事が出来るかも知れない。すでに、DISHとTime Warner CableがAereoとの交渉をしているとの報道もある。Foxの社長は、NABにおいて、もしもAereoが勝訴した場合、Foxは地上波放送から撤退し、多チャンネル向けネットワークに転向するかも知れないと、語っている。

Foxの発言は議会に対する脅しであろうが、裁判の結果、あるいは議会の力でAereoを封じ込める事が出来たとしても、それは短期的な解決にしかならない。スミス会長の言うように、地上波放送事業者側も技術で対抗して行く必要がある。CBSはAereoと競合するSyncbak社に投資をした。Syncbak社は、地上波局の番組をインターネットで再配信しているが、Aereoとは異なり、承諾を得られた番組だけを配信しているので、現状ではローカル番組だけに限られている。