NAB展示会の展示社数は1,600社で、面積は2012年の815,000平方フィートから900,000平方フィート(8.36万m2)に増えた。登録した参加者は92,414人で、昨年の実際の参加者の91,565人を僅かに上回っている。しかし、参加者は少なく見えた。登録しても来ない人もおり、実際の人数は昨年より少ない可能性はある。また、平均宿泊日数が減っているとも聞く。海外からの参加者は全体の約26%で、増加している。と言うことは、アメリカ国内の参加者は減少をしている事になる。昔のNABは全米の地上波放送局関係者の大パーティであったが、状況は変わっている。
デジタル移行後の放送市場は大きくと変化をしており、放送機器メーカに取っても厳しい状況となっている。IAMB(International Association of Broadcast Manufacturers)によると、放送機器市場の2012年の売上は前年より4.7%増えているが、収益は12.7%の減少をしている。放送機器メーカーのGrass Valley Groupは2010年に、Harris Broadcast Communicationsは2013年にプライベート・エクイティー会社に売られている。
CESでの大きな話題は4Kであった様に、NABでも4Kがスターであった。しかし、4Kが主役であったのはセントラル・ホールで、サウス・ホールに行くと4Kは大きな話題では無かった。入り口(カメラ)と出口(ディスプレイ)は4Kで湧いているが、その中間ではまだ4Kへのサポートが低い様だ。
4Kカメラに対する関心は強い。4Kで撮影をし、1080で放送をする場合、編集段階で画質を落とすこと無くパン、ズームが出来る。これは、特にスポーツ中継では大きな価値を発揮する。しかし、これでは放送自体は1080であり、CESで売り物であった4KTVのニーズには貢献しない。
しかし、ワークフロー・ソリューションを含めた4Kをサポートするインフラストラクチャはまだ開発中であり、中抜けは不思議ではない。来年のNABではより現実的な技術になるであろう。しかし、4Kの大きな課題は、収入モデルである。4Kを実現するコストは高価である。しかし、4Kで放送したと言って、広告、あるいは視聴料金を増やす事が出来るか。アナログからHDでは、画質に明らかな違いがある。しかし、HDになったからと言って、放送局の収入は増えていない。4Kへの移行で収入を増やすことが出来るのか。
NAB 2013年のもう1つの大きな話題はクラウド化であった。クラウド化、それにクラウド化で進むアーキテクチャーのオープン化は映像コンテンツの制作、配信を安くする。NABが代表する地上波局に取り、これは良いことである。しかし、映像コンテンツの制作、配信の敷居を下げることは、競合の参入をさらに容易し、競合を増やす事になる。
基調講演で、NAB会長のゴードン・スミス氏はNABメンバーである地上波局に対して、革新を求めた。同氏は、「我々は一団となり新しい技術を受け入れ、それを行わない場合の結果を自覚する時が来た。我々の将来は、この先々、価値のあるコンテンツをいかなるプラットフォームにも配信出来る技術を革新、誘発させる事にある」と語った。放送はデジタル化と言う大きな技術革新を成し遂げた。しかし、デジタル化により同じステージ立つことになった、Netflix、Google、Amazon等をリードするのではなく、遅れを取っている。
スミス会長のメッセージはシンプルである。放送はデジタル化で大きなオポチュニティーを得ており、その機会を活かす必要がある。しかし、大きなオポチュニティーには大きな競争が伴う。放送がメディアのリーダーシップを放送が取り続けるには、Google等と競争できる革新さが求めらられている。
