地上波をインターネットで配信

Fox Broadcastingの設立にたずさわり、現在Ask.com、Match.com等のサイトを運営するInterActiveCorp社(IAC)の会長を務めるBarry Dillerが投資するAereo社が地上波放送をインターネットで再配信するサービスをスタートした。サービスはニューヨークで始まり、月額$12で、地元のCBD、NBC、Fox、ABC、PBS等の地上波局をインターネットを使い視聴し、また、40時間の録画(DVR)が出来る。

地上波放送をインターネットで提供するサービスはFilmOn、Ivi等が行ったが、いずれも著作権法に違反しているとの理由で、地上波ネットワーク等の権利者に訴えられ、停止している。これらに比べて、Aereoには2つの大きな違いがある。1つは、勢力で、メディア界では著名なBarry Dillerが支持しており、Aereo社はIAC、FirstMark Capital、High Line Venture等から2500万ドルの資金を得ている。もう1つは、その技術で、1つのアンテナで地上波受信し、再送信をするのではなく、各加入者に対して、1つのアンテナを設置し、1対1での配信を行う。DVRもCablevisionが行っているRS-DVRと同じに、個々の加入者に個別の録画容量が提供されている。1つのアンテナは10セントコイン程度の小さなサイズで、1つのアンテナケースに何百、何千のアンテナを置くことが出来る。

Aereo社は各加入者に対して、1つのアンテナを提供する事で、著作権には触れずに地上波の再送信をインターネットで行うことが出来ると語っている。しかし、Aereo社に対する訴訟は素早く、発表の2週間後にPBSとUnivisionが訴え、その直後にABC、Disney、CBS Broadcasting、CBS Studio、NBC Universal、NBC Studio等を含めた会社がAereoを諸作件法違反で訴えた。

同じように各ユーザに対してDVDプレーヤを置き、DVDディスクのコンテンツをインターネットで配信したZedivaも訴えられ、サービスを停止している。しかし、AereoはZediva等とは異なり、法廷で戦う資本を持っている。訴えられたからそれでサービスを止めるのではなく、法廷で戦う覚悟だが、コンテンツ事業者もこれは絶対に戦う意志で、大きな訴訟になるかも知れない。

以前に法廷で戦われた同様なケースはCablevisionのRS-DVRである。RS-DVRの場合、上訴裁判でCablevisionが勝ち、コンテンツ事業者はそれ以上の控訴をしなかった。RS-DVRとAereoの最大の違いは、コンテンツ事業者に与える収入インパクトである。RS-DVRに関しては、コンテンツ事業者には収入の減少は無い。視聴者宅のDVRに録画されても、クラウドに録画されても、コンテンツ事業者への収入にはならなく、RS-DVRが許可されても収入上の差は無い。地上波の再送信の場合は違う。ネットワークは多チャンネル事業者から再送信料を得ている。もし、Aereoの提案するサービスが合法で、無許可で地上波再送信が可能になれば、ネットワークの収入は減少をする。