コードカッティングは大きな問題か?

コードカッティングは、ケーブルTVを含めた多チャンネルサービスからの脱退を意味するが、特に、Netflix等のインターネットを使ったオーバー・ザ・トップ(OTT)のビデオサービスを使うことで、多チャンネルサービスをリプレースする事を意味している。多チャンネルサービスへの加入者は、2009年から2010年では若干の減少をし、コードカッティングは起きており、その傾向は続いている。

電話事業者のAT&Tは第2四半期で202,000のU-Verse TV加入世帯を加え、合計加入者数を340万世帯とした。U-Verse TVへの加入世帯数は前年同期から36%増え、全米で8位の多チャンネル事業者になっている。U-Verseのネットワークは2900万世帯をカバーしており、2011年末までには3000万がそのサービスの対象になる。同様に、VerizonのFiOS TVの加入者は184,000世帯増え、合計加入世帯は380万世帯となった。

AT&TとVerizonが加入者を増やしているのに対し、ケーブルTV事業者の加入者減少は続いている。Comcastは238,000世帯、Time Warner Cableは128,000世帯、Charterは79,000世帯を失った。

加入者を伸ばし続けてきたDirecTVは成長を続けているが、勢いは鈍っている。加入者は26,000世帯増えたが、証券アナリストの予測(57,000アップ)を大きくと下回った。大手の中ではDish NetworkとCablevisionの発表がまだだが、AT&T、Verizon、Comcast、TWC、Charter、DirecTVの合計では加入者数は第2四半期で35,000世帯減少をした。

問題は、なぜ加入者が減っているかである。その理由がOTT-Vでビデオを見ている為か、あるいは不況が原因をしているかでは、大きな違いがある。

もし、視聴者はOTT-Vに満足をし、多チャンネルサービスを止めているのであれば、今後さらにコードカッティングは増え、多チャンネルサービスは減少方向に進む。もし、コードカッティングの理由が不況であれば、これは一時的な現象であり、景気が回付スクレ場、多チャンネルサービスへの加入者はまた増加をしていくであろう。

調査会社のSNK Kaganは、前者と考えている。同社が発表したレポートではOTT-Vを使うことで、多チャンネルサービスから脱退した世帯は2011年末でTV視聴世帯の4%、450万世帯となると予想をしている。同社は、コードカッティング世帯は2010年末で、250万世帯であり、2015年には1210万世帯(世帯の10%)となると予測している。450万世帯と言うのは多チャンネル事業者では6位のCharter Communicationsの規模であり、2015年の1210万は、現在市場第4位のTime Warner Cable規模である。2015年には、Time Warner Cable社の加入者と同等の世帯が、多チャンネルサービスを止め、OTT-Vでリプレースする事になるとすれば、これは大きなインパクトである。

しかし、コードカッティングはそれほど大きなインパクトでは無いとの考えもある。調査会社のLeichtman Research Group(LRG)は、多チャンネルサービスとブロードバンドの両方に加入しているのは世帯の70%であるのに対して、ブロードバンドには加入しているが、多チャンネルサービスに入っていない世帯は8%だと報告しているが、これら8%の世帯の多くはOTT-Vで多チャンネルをリプレースしたのではなく、経済的な理由等で、多チャンネルに加入していないと分析している。

同社が行ったインタビューによるとブロードバンドだけの世帯の内、OTT-Vでビデオを見ることが出来るので多チャンネルサービスを使っていないと答えたのはたったの5%でしかない。28%は経済的な理由で多チャンネルサービスに加入出来ないと答えている。また、26%はTVを殆ど見ていないからと答えている。これがこれが正しいと、OTT-Vで満足しているのは0.4%(8%の5%)でしかない。

もしも、コードカッティングをした世帯はインターネットでビデオを見ているからであれば、インターネットビデオを見る時間は、多チャンネルとブロードバンドの両方に加入している人より多いはずである。しかし、LRGの調査では、両者にはそれほどの差はない。多チャンネルとブロードバンドの両方に加入している人の17%は毎日インターネットでビデオを見、48%は週に1回は見ている。これに対して、ブロードバンドだけの人で毎日インターネットビデオを見ているのは19%、週1回以上は55%である。