デジタルTVの再放送義務

2007年2月に迫っている地上波放送のデジタル移行に向け,FCCのマーチン会長は移行後の多チャンネル事業者に対する再送信義務規制(Must Carry)の提案を行っている。先月は,マルチキャスト放送と呼ばれる,主チャンネルに加え,副チャンネルを放送する場合,これら副チャンネルも再送信義務の対象にする事を提案し,今回はアナログ放送も続けるケーブルTV事業者に対して,地上波放送をアナログとデジタルの両方で再送信する事を義務化する提案を行った。

この案では2007年2月以降,アナログ放送を完全に止める事業者はデジタルのみでの再送信義務となるが,現在,殆どのケーブルTVがそうであるように,アナログとデジタルの両方で放送している事業者は地上波放送をデジタルで再送信し,さらにアナログ変換して放送する事が義務付けられる。もし,デジタル放送での義務化であった場合,デジタルSTBを使っていない世帯は地上波局を受信出来なくなる。

しかし,地上波局をアナログとデジタルの両方で再送信するには多くの容量が必要となる。ネットワークのアップグレードに投資をしてきた大手事業者はともかく,資本力の無い中小事業者にはこれは困難になる。ケーブルTV事業者を代表するNCTA,それに中小ケーブルTV事業者の団体American Cable Association共に,この案には反対をしている。FCCもこれまでは,デジタルとアナログでの両方の再送信義務には消極的であったが,デジタル移行は2年以下に迫っており,移行後も全てのTV世帯が地上波放送を視聴出来る事を確実にする規制が必要になっている。