専門SVODの復活

Disney等のTVネットワークがSVODに参入する以前の主要なSVODサービスはNetflix、Hulu、それにAmazon Prime Videoで、その他は特定のジャンルを専門とするニッチなサービスであった。これらサービスのライブラリーの少ないが、価格は安く、Amazon Channelsから簡単に加入することが出来、それなりの利用があった。TVネットワークのSVOD参入で状況は一変した。主要なSVODサービスの数が増え、SVOD利用者はそれらに加入し、専門SVODサービスの利用は減った。

また、Max等はライブラリーを増やすためにニッチなコンテンツをライセンスしたこともあり、小規模な専門SVODサービスの必要性も減った。しかし、その後は黒字化のためにニッチなコンテンツのライセンシングは減っている。主要なSVODからニッチなコンテンツが減ることで、専門SVODの需要がまた伸びている。

Antennaによると、9つの主要SVODサービスへのサブスクリプション数は2023年では17%増えたのに対して、25の専門SVODのサブスクリプションは29.9%も増えている。2024年のサブスクリプションの増加はそれぞれ7.7%と19.8%に減っているが、成長率の差は9.9%ポイントから12.1%ポイントに広がっている。

主要なSVODサービスに含まれる9つの主要SVODサービスはApple TV+、Discovery+、Disney+、Hulu、Max、Netflix、Paramount+、Peacock、Starzで、合計サブスクリプション数は2.4億ある。25の専門SVODの合計サブスクリプション数は3400万で、規模は大きく異なる。サービスあたりの平均は主要SVODが約2700万サブスクリプションであるのに対して、専門SVODは140万程度でしかない。2024年Q2の新規サブスクリプション数に占めるシェアで最大の専門SVODはTVネットワークのAMCのAMC+であった。2位から5位はAmazonのMGM+、SonyのアニメSVODのCrunchyroll、イギリスのコンテンツ専門のBritBox、TVネットワークのBlack Entertainment TelevisionのBET+である。


Antenna


Antenna

専門SVODのサブスクリプションは増えているが、チャーンが大きな問題である。専門SVODのチャーンは主要なSVODより3%ポイントも高い。2024年6月の専門SVODのチャーン率は7.6%で、主要SVODは4.6%であった。専門SVODのチャーンが多い理由の1つはライブラリーが少ないことであるが、ディストリビューションを第三者に頼っていることも原因している。専門SVODの直販率は10%で、残りはAmazon Channels、iTunes、Roku等の第三者に頼っている。主要SVODの60%は直販である。Amazon Channels等を使うことで、自らマーケティングすることなく、利用者を増やすことが出来る。しかし、視聴者との直接的な接点は無く、詳しい視聴者データも得ることが出来ない。ディストリビューター任せでは利用者との接点は少なく、忠実な加入者を得ることに苦戦している。