政治広告により、偶数年のメディア広告市場は奇数年より増える。奇数年の政治広告は$25億程度だが、偶数年は$100億規模になる。Insider Intelligenceは2024年の選挙広告は、2022年よりも30%増えた、123億になると予想している。2008年にオバマ氏がソーシャルメディア広告を積極的に使い当選してからデジタル広告の利用が増えているが、主体はまだローカル放送とケーブルTVである。大統領選であっても、メッセージは地域より異なるのでネットワーク(全国)広告は殆ど使われず、地域を選ぶことが出来るローカル局とケーブルTVが使われている。
2022年に選挙広告にもCTV広告が使われ始め、今年は利用がさらに大きく伸びている。ADIMPACTによると、2024年の政治広告の媒体別シェアでは地上波テレビが依然として多く、50%を占めているが、CTV広告はデジタル広告を抜き14.1%に増え、ケーブルTVに匹敵する規模になっている。

ADIMPACT Political Projections Report 2024
CTVでの政治広告が増えている最大の理由は視聴者が放送ではなく、ストリーミングでテレビを見るようになっているからである。放送をまったく見ていない人もおり、以前のように放送だけでは有権者をカバー出来なくなっている。LG Ad Solutionsによると、63%のCTV利用者はテレビの媒体として放送よりもストリーミングを好んでいる。特に選挙を左右する無党派層の人たちの間ではストリーミングでCTVを見ることを好む率は70%と高い。2022年以前ではCTVで選挙広告をしたくてもオプションは少なかったが、広告付きプランのSVODサービスが増え、さらにFASTが普及したことでCTV広告の在庫は大きくと増えてる。

LG Ad Solutions
CTVはまた、その他のデジタル広告と同様にターゲットすることが可能である。9桁のZipコードの下4桁レベルでのジオ・ターゲティングが可能であり、地上波、ケーブルTVよりも無駄なく地域の有権者だけに広告をすることが出来る。所得、人種、支持する党等で視聴者を選択することも出来出来る。また、CTV広告は放送広告よりも柔軟であり、小回りが利くキャンペーンを行うことが出来る。
CTVでの選挙広告の問題もある。CTVでは同じ広告が頻繁に流れる可能性があり、これは有権者に不満を与えることになる。広告は複数のDSP、SSPを使いプログラマティックに売られ、頻度を管理することが困難である。特にターゲットが狭いと同じ番組で、同じ広告が複数回流れる可能性がある。これは、通常の広告でも起きることだが、選挙期間中はただでさえ政治広告が頻繁に流れ、うんざりしている時に、同じ候補者の広告が立て続けに流れると支持を失うリスクがある。
