Disney+停滞の理由

2023年にNetflixは大きく加入者を増やした。Paramount+とPeacockの加入者も増えた。だが、Disney+の成長は停滞している。2022年Q4の4660万人をピークに2023年は横ばいであった。Warner Bros. DiscoveryのSVODサービス(MaxとDiscovery+)も2023年に加入者を減らしている。

各社、Paramount+は推定

Disney+とWBDの加入者が停滞している背景にはサブスクリプション数の増加が減っていることがある。Antennaによると2020年から2021年ではサブスクリプション数(サブスクライバーの人数ではなく、各サービスの加入者数の合計)は23.1%増え、2022年も21.6%の増加があった。しかし、2023年の増加は10.1%でしかなかった。加入者は利用するサービスの数を増やしていなく、新しいサービスに加入する際、加入してきたサービスを解約することが増えている。Paramount+とPeacockが加入者を増やしたことで、Disney+とWBDからの解約が増えたことになる。

Disney+、WBD、Paramount+、Peacock、それにApple TV+で視聴されているコンテンツには話題作が占める率が高い。それぞれのサービスのトップ20のコンテンツが視聴時間の全体に占める率がもっとも多いのはPeacockで、92%になっている。話題になっている作品以外は殆ど見られていない。次はDisney+で87%、Paramount+とApple TV+が83%、そして、Maxが78%となっている。これら5つのサービスで視聴されているコンテンツの3分の4以上はトップ20、要するにショートテールのヒット作品である。いずれも、新しいサービスであり、新しい作品で勝負をしている。Paramount+、Peacock、それにApple TV+はまだ新しいオリジナルに投資をし続けている。しかし、WBDとDisney+は黒字化の為に制作費を抑えていることで、加入者を増やすことが出来なくなっている。

しかし、話題作を作り続けることは持続可能ではない。Samba TVが2023年前半の50トップ作品のリリース開始から100日間の視聴を調べたところ、93%の視聴は50日以内に行われていた。ヒット作品で加入者を引き留めるためには2ヶ月に1回は話題作を出し続ける必要があることになる。オリジナル・コンテンツへの投資により、短期的な成功は出来るが、持続不可能な戦略である。

これらサービスがヒット作品に頼っているのに対して、Netflixではトップ20の作品が占める割合は28%と低い。Netflixのチャーンが低いのはロングテールの作品が貢献していると言われるが、必ずしも正しい表現ではない。他のサービスにもロングテールの作品はある。特に、Disney+にはアニメーション、Star Wars等の豊富なロングテールの作品がある。大手コンサルティング会社のAltman Solonのジョナソン・ハード氏はNetflixで視聴されているコンテンツの37%%はショートテール(最新のヒット作品)のコンテンツで、それ以外に63%の内、ロングテールと呼べる名作は4%でしかなく、残る60%は比較的に最近の「ミッドテール」の作品だと分析している。


Luminate Streaming Viewership

話題作を見終わった後も加入者をサービスに引く付けるためにはロングテールよりも、ミッドテールの作品が必要になる。Disneyの場合、ミッドテールと呼べるABC、FX等の放送番組はHuluにあり、Disney+には殆どミッドテールと呼べる作品は無い。HuluとDisney+を1つのアプリにまとめることで、チャーンを減らそうとしている。MaxにはDiscoveryの番組があるが、ドキュメンタリーとハウツーもので、ドラマは無い。Paramount Global買収に関心を示したのはそのためであろう。