Nielsenが毎月発表しているテレビ利用時間の内訳のThe Gaugeで地上波と多チャンネル向けネットワークの合計が50%を割ったことが大きなニュースになっている。ニュースの見出しだけだと、ストリーミングが50%を超えたような印象を与えるが、ストリーミングのシェアは38.7%で、放送の合計の49.6%より低い。The Gaugeはテレビ利用時間の内訳であり、その他としてゲームでの利用、DVDの視聴、音楽の再生等が11.6%を占めている。テレビでの放送対ストリーミングの視聴であれば、放送のシェアはまだストリーミングよりも高い。
The Gaugeはテレビ利用時間の内訳であり、スマートフォン等のテレビ以外のデバイスは含まれていなく、ビデオ・コンテンツ視聴時間の内訳ではない。テレビ以外での視聴が含まれないことが、Nielsenに対する放送事業者の不満の1つであり、新しいNielsen Oneでは改善されるが、The Gaugeではまだテレビしか含まれていない。スマートフォン等でのデジタル・ビデオの視聴も含まれていれば、ストリーミングの視聴はもっと多い。Comscoreの統計では放送が40%、デジタル・ビデオ(CTV含む)が60%となっている。

Nielsen
The Gaugeにはその他にもいくつかの問題がある。もっとも大きな問題はvMVPDが放送とストリーミングの両方に含まれていたことであった。これは今年の2月から修正され、vMVPDはストリーミングから除かれた。ストリーミングであるvMVPDをストリーミングから除くのは間違っているようだが、The Gaugeは地上波(Broadcast)と多チャンネル(Cable)、ストリーミングを媒体として見ているのではなく、サービスとして見ている。Broadcastは4大ネットワークを含めた地上波ネットワークのことであり、ケーブルTV、あるいはvMVPDでの視聴も含まれる。CableはESPN、CNN等の多チャンネル向けネットワークである。媒体ではないので、ケーブルTVでの地上波視聴時間はCableではなく、Broadcastに含まれている。
The Gaugeが2月にvMVPDのダブル・カウントを認め、修正をした時点で、BroadcastとCableにはすでにvMVPDでの視聴が含まれていたので、シェアはそのままとし、代わりに、Streamingを減らし、Othersを増やした。この計算方法も納得しにくく、批判がある。これにより、以前の計算であれば2月のOthersは6.3%であったのが、11.7%に倍増した。さらに、OthersにはケーブルTVのSTBを使ったストリーミングも含まれている。NielsenはケーブルTVのSTBのストリーミングの内訳が分からないので、Othersになっていると説明しているが、これも理解しづらい。
Nielsenはテレビ視聴の調査であった。それが、ストリーミングの普及により、何がテレビであり、何が媒体であるかの定義が変わり、計算が不明瞭となり、放送事業者の批判を受ける結果となった。The Gaugeを見るとNielsenの苦心が分かる。
