ComcastとCharterがCTVに注力する理由

ComcastとCharterは4月にコネクテッドTVを開発するジョイントベンチャーを立ち上げ、10月にその社名をXumoとした。このJVはケーブルTV事業者の今後に重要な影響を与える。ケーブルTV事業者は加入者を失ってきたが、ブロードバンド加入者が増えてきた事、それにVOD、電話、セキュリティー等のサービスの追加により売上を増やしてきた。しかし、固定電話への加入者は減り始め、セキュリティーサービスへの加入者も頭打ちになり、VODもNetflix等の競合で利用は減っている。それでも、ブロードバンド加入者が増えることで売上は増えてきた。OTTビデオの普及により新規加入者が増え、さらに高速なサービスの需要が増えることでネットワークの高速化が遅れていた電話事業者のシェアを奪ってきた。ブロードバンド市場におけるケーブルTV事業者のシェアは2012年では57.5%であったのが、2021年には69.8%になっている。

しかし、状況は急速に変化をしている。ケーブルTV事業者のブロードバンド加入者の成長はストップしている。ケーブルTV事業者としてはトップ2のComcastとCharter Communicationsのブロードバンド加入者はQ2からQ3では10万件増えただけである。市場の飽和が近づいているだけあれば、加入者を失う可能性は低いが、シェアを失い始めている可能性も出ている。Q2からQ3ではブロードバンド加入者は97万件増えているが、その内の94万件はT-MobileとVerizonの固定無線アクセス(FWA)である。FWAの加入者数は2021年Q1では25万件であったのが、2022年Q3では318万件に増えている。ブロードバンドに占めるシェアはまだ3%であるが、この成長が続けばケーブルTV事業者のシェアを奪い始めることになる。


各社

新しい収入源としてケーブルTV事業者はモバイル通信に参入しており、Comcastは500万回線、Charterは400万回線を獲得している。しかし、モバイル通信も成熟した市場であり、加入者を増やし続けることは容易ではない。今後、収入を増やしていくのにはブロードバンド加入者からのARPUを増やしていく必要がある。ケーブルTVであれば、よりチャンネル数が多いパッケージ、有料チャンネル等へのアップセル、あるいはPPV、VOD等からの収入があるが、ブロードバンドではその機会は少ない。


NSI Research

ブロードバンドでの収入を増やすのにはケーブルTVのSTBのように顧客が接触する機会が多いデバイスをユーザに使ってもらう必要がある。ブロードバンド加入者に自社ブランドのストリーミング・プレーヤー、あるいはスマートTVを提供することが出来れば、アプリからの収入、広告収入等を得ることが出来る。CTVには大きなAPRUの可能性があることは実証されている。Rokuの年間ARPUはQ3では$44.30になっており、Roku同様にプラットフォーム収入を重視するビジネスモデルに2021年Q1に移行をしたスマートTVベンダーのVizioも順調にARPUを伸ばしている。VizioのARPUは21年Q3では$19.90であったのが、22年Q3では39%増えた$27.69になっている。


各社

Xumoは2023年の製品を発表する予定である。現在、Comcast、Cox等が提供しているストリーミング・プレーヤーをリプレースし、他のケーブルTV事業者にライセンスされる。Comcastの現行のCTV OSをベースにしたスマートTVがHisenseから販売されているようにXumoブランドのスマートTVも発売になる。FAST/AVODのXumo Playもライセンスされ、Xumo OSを採用する会社はXumo Playも自社ブランドで提供し、広告収入を得る事が出来る。