11月3日に広告付きNetflixのサービスがアメリカ、UK、日本等12カ国で開始になった。広告付きが加わるのは最も安いBasicプランで、広告無しは$10、広告付きは$8になる。これは12月8日に開始になるDisney+の広告付きの$9よりも$1安い。Basicプランの解像度はこれまでは480pであったのが720pに引き上がるが、同時視聴は1ストリームで、広告付きプランではダウンロードがサポートされていない。また、広告付きプランでは一部のコンテンツ(5%から10%程度)が契約上視聴出来ないが、Netflixはコンテンツ保有者と交渉中であり、その数は減っていくと発表している。
Netflixは視聴データのパートナーとしてDoubleVerifyとIntegral Scienceを使うことを発表していたが、今回の発表でNielsenが追加になった。Netflixはアドレッサブル広告の為にNielsenのDigital Ad Rating(DAR)を採用する。しかし、現時点ではNetflixの広告にはまだアドレッサブル機能はなく、Nielsen DARが使われるのはアドレッサブル機能が加わる2023年になる。Netflixはどのジャンルのコンテンツを見ているか等で視聴者をターゲットするだけでなく、ブランドイメージにはそぐわない性的表現等のあるコンテンツを対象から排除する機能も提供する。
既存の放送事業者はNielsen離れを見せている。NBCUniversalは東京オリンピックとスーパーボウルでiSpot社をテストし、今シーズンからNBCUの視聴データ提供者として正式に採用している。他のTVネットワークも新しいカレンシーをテストを行っており、先月にはFoxがInnovidと複数年の契約を行った。Foxはローカル広告にはComscoreも採用している。しかし、この動きとは逆にGoogle、Roku、Netflix等のストリーミング事業者は相次いでNielsenとの関係を発表している。ネットワークはNielsenに変わる新しいカレンシーを探す中、ストリーミング事業者はNielsenをパートナーにし始めている。
ネットワークは幅広い媒体を利用している。同じコンテンツが、地上波、既存の多チャンネル、vMVPD、SVOD、AVOD、TVODで配信されている。さらに、そのコンテンツからのビデオクリップは様々なソーシャルメディアで配信されている。広告主はネットワークに対して、これら媒体での視聴者がどのように違い、また重複が無い事の証明を求めている。同じ視聴者が様々な媒体を使っているのであれば、複数の媒体で広告をする必要がない。放送とストリーミングではオーディエンスがいかに異なるかを明らかにする必要がある。しかし、Nielsenはまだ、マルチデバイスでの視聴統計は提供していない。もう1つ、TVネットワークが求めているのは放送広告価値を増すことである。放送のリーチ減っているが、CPMを増やすことが出来れば、収入は増える。その為に視聴者の数だけでなく、放送広告での効果も測定しようとしている。
ストリーミング事業者の場合、多くは最近に広告事業に参加している。GoogleのYouTubeには以前から広告があったが、既存のYouTubeのビデオの広告とテレビ広告では利用するブランドは異なる。YouTubeでも映画、TV番組の配信が始まっており、これまでTV広告を多く使ってきたブランドにもアピールする必要がある。それにはNielsenが必要になる。TVネットワークがNielsen離れをしているとは言え、Nielsenはまだ共通カレンシーである。広告主はストリーミングでの広告も放送と同じ基準で見たく、それにはNielsenを採用することが不可欠になる。
ストリーミング事業者は視聴者の数を知ることが出来、本来は外部の調査は不要であるが、中立なデータとしてNielsen等が必要になる。しかし、ストリーミング事業者の数値と外部の数値は一致しない。NielsenがNetflixの視聴データを提供し始めた時、NetflixはNielsenの数値はかなり実際とは異なると語っていた。NFLのThursday Night Footballの視聴データにNielsenを使い始めたAmazonもNielsenとの数値の違いを問題にしている。Nielsenによると10月20日のセインツとカーディナルスの視聴者数は780万人であったが、Amazonは890万人であったと発表している。100万人の違いは大きな影響がある。
