T-MobileのFWAの成長

T-Mobileの固定無線を使ったブロードバンド・サービス(Fixed Wireless Access = FWA)が大きな成長をしている。T-MobileがFWAを開始したのは約1年半前である。それ以前にはT-Mobileにはブロードバンドサービスはなかったのが、FWA開始によりT-Mobileのブロードバンド・サービスへの加入者は2022年Q2で146万世帯に達している。2年間以下で、加入者ゼロからブロードバンド市場で9位入りをしている。

Q2に加入者が増えた3つの事業者の内、T-MobileとVerizonはFWAを提供しており、Verizonは光ファイバーで1.2万世帯増やし、FWAで25.6万世帯を増やした。Q2ではケーブルTV事業者のブロードバンド・サービス、それに通信事業者の既存のサービス(光とDSL)は加入者を失い、増えたのはFWAだけであった。


T-Mobile


各社(*CoxとMediacomは推定)

T-Mobileは2025年にはブロードバンド加入者は700万から800万に達すると予想している。他の事業者の加入者数に大きな変化がなければ、2025年にはT-Mobileはトップ5入することになる。加入者を増やすのには帯域が必要になるが、T-Mobileは主にFWA向けとして、2.5 GHz、3.5 GHz、3.7 GHzの帯域を増やしている。Verizonはミリ波での5Gサービスを提供しているが、T-Mobileはミリ波での5Gはコスト高になるとして消極的である。しかし、FWA専用に使うのであれば、機器のコストは低くなると語っており、保有しているミリ波のライセンスはFWAで使うと思われる。

T-MobileのFWAは主に既存のブロードバンド・サービスが不十分な田舎地域で普及しているが、Verizonは都市地域でもFWAを増やしており、FWA市場は田舎だけではない。Verizon、T-Mobile共にFWAはWiFiルーター内蔵のレシーバーを窓の近くに設置するだけで、配線の必要が無い便利さをアピールしている。壁に穴を開ける等が出来ないアパート等にもFWAのメリットはある。

ComcastはFWAの利用範囲は限られたものであり、同社のブロードバンド事業を脅かすことは無いと語っている。しかし、Comcastは固定無線ブロードバンドは利用が高い昼間は回線速度が落ちるので、固定無線でのブロードバンドに加入したことで、バンパイアのように深夜の生活になった家族を揶揄したテレビ広告を流しており、FWAを意識してない訳では無い。