ストリーミングの将来は広告収入か

Kantarの調査ではSVODを利用している世帯は80%を超えているが、AVODは27%、FASTは22%である。だが、広告付きのSVOD利用者が増えることで広告付きストリーミングサービスを利用している世帯は50%を超えている。SVODサービスが映像広告を無くすとの予想があったが、ストリーミング・サービスのお陰で広告市場は成長をしている。


Kantar

しかし、視聴者は広告付きサービスに満足して使っているのか。不満だが、支払いを安くするために広告付きサービスに加入しているのか。Whip Mediaが行ったSVODサービスの満足度調査では広告付きVODサービス対する不満は少ない。広告にいらだつかと答えた人が50%を超えたサービスはHuluだけである。HBO Maxの対してはいらだつと答えた人は38%で、非常にいらだつと答えたのは11%と少ない。


Whip Media

さらに、いらだつと答えた人が多い広告付きのHuluでも全体的な満足度はNetflixより高くなっている。Netflixの満足度は昨年の90%から80%に落ちている。Netflixの満足度が10%ポイントも落ちたのは値上げが大きく影響している。コンテンツに対する満足度も重要だが、価格も大きな影響がある。広告はあるといらだつが、あっても値段が安い方が満足度は高い事になる。しかし、これは必ずしも正しい結論ではない。


Whip Media

広告に対して大きな不満がある人は、最初から広告付きサービスには加入をしない。もし、加入したとすれば、満足度は低くなるので、広告付きHuluの満足度と広告付きサービスがまだ存在しないNetflixを比べることは出来ない。Fandomが1000人を対象に行なった調査では、57%は「価格が安くても、広告付きのサブスクリプション・サービスに加入しない」と答えており、視聴者の半分は広告付きサービスは選択しないことになる。

数年前であるが、DisneyはHulu加入者の70%は広告付きサービスに加入していると報告している。Antennaによると、広告付きプランへの加入者が最も多いのはPeacockで74%、次がHuluで58%となっている。Huluは広告付きSVODとて始まり、途中から広告なしのプランが追加になっている。広告嫌いの人でも広告無しの選択肢がない時点に加入し、そのまま利用し続けている人もいるであろう。Hulu加入者には広告にいらだつと答えている人が多いのはそれが理由と思われる。逆にHBO Maxは広告なしで始まり、後日に広告付きが加わった。AntennaによるとHBO Maxで広告付きプランに加入しているのは12%である。HBO Maxの広告付きプランの満足度が高いのは広告嫌いの人は加入していないからであろう。


Antenna

これら広告付きと広告無しのプランがある5つのサービスの加入者を合計すると、広告がある、無いプランを選んでいる比率はほぼ50:50である。Fandomの調査結果のように、広告嫌いは約50%と言うことになる。そうであれば、AVOD、あるいは広告付きSVODの利用者が増加しても映像広告のリーチは増えないことになる。Samba TVによるとQ2の放送広告のインプレッションの内、95%は50%の世帯が見ている。広告付きのストリーミングサービスの利用者も放送を見ている、広告に寛容な世帯であり、広告嫌いの50%の世帯はCTVでも広告を見ていないのであれば、AVOD、広告付きSVODは映像広告のリーチを増やしてはいないことになる。