地上波放送を無断でインターネットで再送信していたLocastの裁判での負けが確実になり、同社はサービスを停止した。地上波を無許可で再配信する試みはこれが始めていではない。最初に試されたのはインターネットでの配信はケーブルTVと同等あるとの議論であった。ケーブルTV事業者には地上波の再配信義務(Must Carry)があり、ケーブルTV事業者は局の承諾無しで地域の放送を再配信する事が出来る。インターネットでのビデオ配信もケーブルTVであれば、地上波を再送信出来ることになる。
だが、この論点には2つの問題点がある。1つは法律上のケーブルTVの定義は事業者固有の回線を使う物であり、インターネットは当てはまらない。現在でもvMVPDはケーブルTVとは見なされていない。もう1つは、放送局はMust Carryを辞退し、配信契約を求めること出来る事で、4大ネットワーク局はすべてMust Carryを自体してる。例え、インターネットでのビデオ配信がケーブルTVあっても、4大ネットワーク局の再送信は無許可では行えない。
次に試されたのはAereoによるアンテナアレーを使う方法であった。アンテナアレーを構成する小型のアンテナの数は加入者数より多いので、アンテナと利用者は1対1でつながっており、1対1であれば、ネットワークDVRと同様に著作権侵害にならないという議論であった。しかし、アンテナアレーを構成している小型のアンテナだけでは放送の受信は不可能である等、Aereoの言い分には無理があり、敗訴した。
Locastは非営利事業であり、著作権法の対象外であると主張したが、半強制的に「寄付金」を求め、されあにその「利益」で新たなサービス地域を広げることは営利事業であると見なされ裁判で勝てる見込みはゼロとなった。
これだけ地上波放送をインターネットで見ることへの要望があるなら、なぜネットワークと放送局は合法なサービスを提供しないのか。ほぼ全国で地上波のインターネット再送信をしているのはCBSだけでで、Paramount+内で行われている。地上波の再送信が困難な理由はネットワークと放送局の関係が理由している。ネットワークは一部の地域は放送局を持っているが、多くの地域では放送局会社と契約し、加盟局としている。ネットワークには加盟局許可無しでその地域で再送信をする事は出来ない。そして、加盟局にはネットワークの番組を放送する権利はあるが、インターネットで再送信する事は出来ない。ViacomCBSはParamount+(以前はCBS All Access)の加入者料を加盟局とシェアすることで、加盟局の合意を得て、再送信を可能にしている。
放送局が再送信を望めば、ネットワークの協力は得られるが、現時点では放送局にはそれをする大きな理由がない。放送局の大きな収入源は広告と多チャンネルサービス事業者からの再送信料である。コードカッティングにより再送信料は減少しているが、それでも大きな収入である。地上波局会社としては最大のNexstarのQ2売上の内、放送広告は$4.3億で全売上の38%を占め、再送信料が$6.2億で55%を占めている。インターネットで再送信を開始すれば、広告収入は増えるかも知れないが、コードカッティングを加速され、再送信料を失うことになる。放送局の広告収入は横ばいであり、これが減少をするまで、インターネットでの再送信を始める理由はない。

Pew Research Center
