多チャンネルサービスへの加入者は減っているが、ブロードバンドサービス加入者は増えている。ブロードバンドにより収入は得ることが出来るが、多チャンネルサービスを失うことの問題はプラットフォームが無くなってしまう事である。多チャンネルサービスでは、その上でビデオ以外の収入も得る事が出来るが、ブロードバンドにはそれがない。STB、あるいはモバイル通信のスマートフォンに相当するものがブロードバンドでも求められている。ComcastはFlexと呼ばれる同社のX1技術をベースにしたストリーミング・プレーヤをブロードバンド加入者に無料で提供している。X1をライセンスしているCoxもFlexと同様なストリーミングプレーヤを提供している。
Verizonも1年ほど前からStream TVと呼ばれるAndroid TVベースのプレーヤをFiOSと5G Homeの加入者に無料で提供しおり、11月に4H HDR対応の新しいデバイスを発表した。最初のStream TVはNetflixが使えずに不評であったが、新しいプレーヤはNetflix、YouTube、Pluto TV、Amazon Prime Video、Hulu、Disney+等の主要なアプリがある。
CharterはComcastのFlexをライセンスする交渉をしていたが、進歩はなかったようで、投資者向けのコンファレンスで、独自のプレーヤを開発していることを発表した。Charterは現在、Apple TVを分割で販売し(24ヶ月間、$7.50)、Apple TV上でSpectrumのケーブルTVサービスを利用可能にしている。同様にAltice USAはApple TVを18ヶ月間、$10で販売している。
Apple TV、あるいは他のストリーミング・プレーヤをSTBと同等に使う場合の問題として、リモコンにチャンネルボタンが無いことである。STB向けのリモコンを開発しているUniversal Electronics, Inc.(UEI)はチャンネルボタンのあるApple TV向けのリモコンを発表した。一般向けの販売は行われず、Apple TVを採用している多チャンネルサービス企業に販売される。
vMVPDサービスの提供を開始したT-MobileもTVision Hubと呼ばれるストリーミング・プレーヤを売っており、TiVoは中小ケーブルTV事業者向けにTiVo 4K Streamのレンタルサービスを開始している。ブロードバンド事業者から無料、あるいは安くストリーミング・プレーヤが得られる訳だが、問題は、RokuとFire TVの牙城を崩せるかである。RokuとFire TVで使えるサービスは豊富にある。事業者提供のストリーミング・プレーヤがサポートするサービスは限られている。主要なサービス以外も使っていると、結局はRoku、あるいはFire TVが必要となる。
