ストリーミング視聴に使うデバイスとしてはスマートTVの成長率が最も高い。CTAは2020年の出荷台数ではスマートTVが3500万台で、ストリーミング・プレーヤーは2200万台と予測している。設置台数でもスマートTVがストリーミング・プレーヤを近々、抜くことになる。

Conviva
4月のComScoreの調査によると、WiFiのある世帯の57%はストリーミング・プレーヤを持ち、51%はスマートTVを持っており、ストリーミング・プレーヤーの方がまだ多い。しかし、逆転はすでにすでに起きたとの統計もある。Leichtman Research Group(LRG)の6月の調査ではスマートTVが58%、ストリーミング・プレーヤーは56%となっている。Parks Associatesによるとブロードバンド世帯におけるスマートTVの保有率は54%で、ストリーミング・プレーヤは42%である。
スマートTV所有の世帯は多くでも、スマートTVでのストリーミング視聴はストリーミング・プレーヤより少ない。LRGによると25%のアメリカの成人は毎日ストリーミング・プレーヤを使っているのに対して、スマートTVでストリーミング視聴を毎日している人は20%である。
Convivaによると再生時間ではストリーミング・プレーヤとスマートTVの差はもっと多い。2020年Q2のアメリカでのストリーミングビデオの総配信時間の56%はストリーミング・プレーヤで再生され、スマートTVは14%でしかなかった。設置台数的にはほとんど同じであるが、再生時間では4対1の差がある。なぜ、スマートTVはストリーミングビデオの視聴にはあまり使われていないか。
理由の1つはスマート機能は求めて無くても付いてくるからである。スマート機能は当たりまえになっており、ある程度以上のテレビを買いたければ、スマートTVになってしまう。すでにストリーミング・プレーヤを持ち、スマートTVは不要でも機能は付いてくる。しかし、主要なストリーミング・プレーヤと比較すると利用出来るサービスの数は少ない。これが第2の理由である。利用するサービスがNetflixとかAmazon Prime VideoだけであればスマートTVで問題は無いが、ちょっとニッチなサービスになると、スマートTVは使えなくなる。スマートTVではサポートされていないOTTサービスを使っているのであれば、ストリーミング・プレーヤが必要となる。
また、スマートTVは毎年、新しいモデルが発売され、プロセッサー等がアップデートされる。その時点で、アプリもアップデートされ、古い機種のサポートが終了する。これが第3の理由である。古いとは言っても2、3年のことであり、テレビを買い換える程ではない。スマートTVでOTTビデオを見ていても、3年後にはストリーミング・プレーヤを買う事になってしまう。ストリーミング・プレーヤも数年で買い換える必要はあるが、テレビよりはるかに安い。
今後、スマートTV対ストリーミング・プレーヤの競争は重要では無くなる可能性もある。スマートTVの急成長を支えているのはTCLで、スマートTVの販売台数の3分の1はTCL製である。TCLのスマートTVはRokuを使っている。さらに、Fire TV内蔵のスマートTVも出ており、TiVoも来年にはSteam 4KベースのスマートTVを予定している。いずれはスマートTVの殆どはストリーミング・プレーヤをベースにした製品が殆どになり、スマートTVとストリーミング・プレーヤのプラットフォームは同じ物になるであろう。
