vMVPD(OTTでの多チャンネルサービス)は厳しい市場である。現時点での加入者はSVODだけでは不満足で、多チャンネルサービスに加入したいが、ケーブルTVほどの料金は払いたくない人たちであり、大きな市場にはなっていない。だが、数多くの会社が参入しており、さらにその内の5社はAT&T/DirecTV Now、Disney/Hulu TV、Google/YouTube TV、Dish Network/Sling TV、Sony/PlayStation Vueの大企業である。FuboTVのようなスタートアップには難しい環境だが、FuboTVは加入者を増やしている。
業界のトップはこの市場の先駆者のSling TVで242万の加入者がいる(2019年6月)。2位はHulu with Live TVで200万人、3位はDirecTV Nowで132万人である。FuboTVは30万人で6位だが、市場では2番めに古いPlayStation Vueの加入者は80万人であり、スタートアップとしては健闘している。
FuboTVはQ2における合計視聴時間は前年同期比較で200%増加したと発表している。これは加入者が増えているからだけでない。1加入者あたりの平均視聴時間も前年同期から137%の成長をし、一日平均で2時間10分FuboTVを視聴している。特にFuboTVのトップパッケージ加入者の視聴時間が増え、6月では1加入者平均で142時間の視聴があった。一日平均では4時間45分となり、平均的な多チャンネルサービス加入者の視聴時間の4時間50分とほぼ同じである。
FuboTVはその名前から連想出来るように最初はフットボール(サッカー)主体のスポーツ専門のサービスとしてスタートした。後に総合的なOTT多チャンネルサービスとして再スタートするが、現在でもスポーツ関連のチャンネルが豊富である。6月にFuboTVの視聴時間が長かったのは女子ワールドカップ、ゴールドカップ、コパ・アメリカ等のサッカートーナメントがあったからである。特に、視聴者が多かった女子ワールドカップのFox、FS1、FS2での全試合をFuboTVは4Kで配信した。試合を4Kで配信したのはComcast、DirecTV、Dish、Altice USA、FuboTVの5サービスだけで、vMVPDとしてはFuboTVが唯一のサービスであった。
FuboTVはスポーツ賭博にも参入する。5月にファンタジー・スポーツ事業者で、ブックメーカーでもありFanDuelを契約し、競馬中継を開始する。FanDuelは競馬のオッズだけでなく、FuboTVのスポーツ賭博とファンタジー・スポーツのコンテンツを独占的に提供する。オッズ等をいかに番組でで提供する等の詳細は発表されていない。
スポーツチャンネルに力を入れることで、FuboTVは競争を生き延びているが、OTTでのスポーツ配信はいい環境とは言えない。遅延が最大の問題であるが、ドラマ等ではそれほど気にならないバッファリング等もスポーツ視聴では大きな不満にになる。Limelightが発表した「The State of Digital 2019」(http://bit.ly/2Mwqycb)によるとオンラインでのスポーツ視聴を好むと答えてのはアメリカでは12.4%と低く、放送(多チャンネルサービス含む)の55.4%の4分の1以下である。

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