CBSとViacomの再合併の交渉が再スタートしている。Viacomは1952年のコンテンツ制作部門のCBS Filmsとしてスタートしたが、1971年にネットワークによるコンテンツ部門の保有が禁止されたことで、Viacomとしてスピンオフされた。2000年にCBSとViacomは合併し、Viacom社になるが、関係は長く続かない。CBSとViacomの経営陣は対立し始め、株価も落ちていく。
Viacomの親会社のNational Amusement Inc.(NAI)は2005年にCBSとViacomを分離する。Viacomは当時は成長していたケーブルTVネットワークのMTV、Nickelodeon等を得て、CBSは足かせになっていた「成長の少ない」事業を押し付けられる。成長の少ない事業とは地上波ネットワークのCBSとThe CW(WarnerとのJV)、地上波局、CBSラジオ、屋外広告のCBS Outdoor、出版会社のSimon & Schuster、アミューズメント・パークのParamount Parksで、多チャンネルサービス向けネットワークのおすそ分けとしてShowtimeとCBS College Sports(今のCBS Sports)を得る。
分離の条件はCBSには悪い物であったが、CBSはCBS Radio、Simon & Schuster、Paramount Parks等を売却し、ターンアラウンドを成功させる。逆に、Viacomはコード・カッティングの影響で売上が鈍り、最近では立場が逆転している。2016年にNAIは2社を再合併させようとするが、経営陣の対立は根強く、不成功に終わる。
2018年にCBSがViacomを買収しようとする。CBSにはプライドがあり、Viacomとの合併ではなく、Viacomを買収し、CBSとして経営したい。しかし、National AmusementはViacom主体の合併を望んでおり、NAIとCBSは争い始め、またも破談になる。
今回の交渉が進んでいる要因の1つは、CBSとViacomの分離条件を根に持っていたCBSのCEOであったムーンベスが2018年にセックスハラスメントの容疑で辞任したことである。両者は8月8日をめどに合併交渉を行っている。Disney、AT&T/WarnerMedia、Comcast/NBCUniversal等と比べるとCBS、Viacomともに小さい規模であり、お互いを必要としている。特にSVODでNetflix、Disney、WarnerMedia等に対抗するのには、CBSもViacomもコンテンツが偏り過ぎている。
もとは1つの会社であるので、シナジーは多いが、広告もその1つである。CBSもViacomも広告収入が多い。Standard Media Index(SMI)によると、CBSとViacomが合併した場合、TV広告におけるシェアは20.2%となり、NBCUniversal(18.4%)、Disney(16.4%)抜き、1位になる。TV広告だけでなく、クロスプラットフォーム広告でもシェアは11.5%で、Disney(10.5%)、Google(10.4%)、NBCU(9.4%)、WarnerMedia(5.1%)、Facebook(4.9%)を超えて、1位になる。

Standard Media Index
