小売店舗は危機にある。小売チェーンとしてはK-Martも持ち、著名なSearは2010年からの連続赤字で、損出は累計で$100億になっている。電子工作には欠かせなかったRadio Shackは最近に2回目の倒産をし、全店舗を閉鎖する事になる。家電店のHHGreggも最近、破綻した。大手小売チェーンの内、元気なのはWalMartだ。株価は$70で、2015年の時点より増えている。
小売店舗が駄目なっている最大の原因はEコマースで、特にAmazonである。WalMartは、Amazonと戦ってきた。AmazonがDVD販売でWalMartを抜き、さらに2006年にTVODを始めた事に対して、WalMartは2010年にVuduを買収した。Amazonがオンライン靴屋のZapposを買えば、WalMartはShoebuyを買い、Amazonへ対抗してきた。WalMartは店舗販売がベースだが、Eコマースも成功させている。WalMartはEコマースと店舗の売上を分けて発表していないが、推定ではEコマースではAmazonに続く2位の会社になっている。
WalMartは昨年にAmazonのライバル、Jet.comを$33億で買収している。Amazonのライバルと言ってもJet.comのサイトがスタートしたのは2015年であり、$33億は多額である。また、$33億の内、$3億はJet.com創立者もMarc Loreに対する支払いであり、WalMartはJet.comを買収しただけでなく、Marc Loreをヘッドハントしている。
Marc Loreは2005年に紙おむつを売るDiapers.comをスタートさせ、2010年にそれをAmazonに売っている。その資金でスタートさせたJet.comの狙いは小売のCostco、あるいはAmazon Primeの様なメンバー制のシステムだが、Amazon Primeが送料無料を売り物にしているのに対して、Jet.comは安値を特徴にしている。Jet.comの安値は製品の価格ではなく、送料の効率化から出している。
Amazonと異なり、Jet.comの値段は一定ではない。配達先が製品在庫のある配送センターに近ければ、値段は低い。さらに、製品をカート入れると、同じ配送センターにある他の製品の値段が下がる。1つの製品の値段はAmazonより安くはないが、同じ製品を複数買う、あるいは同じ配送センターにある他の製品も一緒に買えば安くなる。大量買いでトータルコストを安くするCostco、それにWalMartのSam’s Clubと同じ考えだ。
WalMartはWalmart.comとJet.comを別に運営しているが、どちらもMarc Loreがヘッドになっている。さらに彼はWalMartの全体の見直しを任されており、すでに人事部をアウトソースし、本社で数百人のレイオフをする事を発表している。
SearsもSears.comがあり、Eコマースは行っている。しかし、殆どの場合、店舗ベースの小売事業者がEコマースをしても、売り方を買えただけで本社の考えが進歩的になった訳ではない。Amazonが成功したのは、Eコマースだけが理由では無い。他の成功しているインターネットベースのビジネスと同様に柔軟性があり、素早く動いているからである。WalmartはJet.comの買収でそのEコマースを強化するだけでなく、Marc Loreを使い企業の柔軟性もAmazonに対抗出来る様に変身させる事を狙っている。これは、放送分野にも通じる事だ。配信を放送からOTTでの配信に切り替える事は容易な事だ。しかし、企業としてNetflix、Google、Amazon等と同じ土俵で戦う事が出来なければ、放送のIP化は成功しない。
