停滞しているSDV

Switched Digital Video(SDV)は、番組を視聴者がある時だけに流す事で、ケーブルTVの帯域を有効に使う事が出来る。視聴者の少ないチャンネルをSDVで提供する事で、チャンネル容量を24時間使うことなく、チャンネル数を増やす事を可能にする。SDVはVODに類似した技術であり、STBを含め、既存のインフラストラクチャーを使うことが出来、比較的に低コストで導入が可能である。

Time Warner CableがSDVの導入を始めており、Comcastも導入を昨年には開始する予定であった。しかし、先月にComcastはSDVの導入を一時中止している事を発表した。SDVの技術で知られるBigBandに取り、これは大きな打撃である。同社は2011年第1四半期の売り上げ予測を2600万ドルから1700万ドルから2000万ドルへと修正している。

ComcastがSDVの導入を一時中止した理由は発表されていない。ComcastはConverged Multimedia Access Platform(CMAP)を採用の予定で、CMAPで使われるより密度の高いQAMをサポートするSDV製品が出るのを待っているとの憶測がある。しかし、もしComcastが切実な帯域不足に悩んでいるなら予定通りにSDVを導入しているはずある。

ComcastはProject Cavalryとして、低コストSTBのDTA(Digital Terminal Adapter)を使い、アナログチャンネルを最低限に切る計画を進めている。これをするには、古いアナログTVでも主要なチャンネルが見られるように、DTAを配る必要があるが、これにより大幅にアナログチャンネルを減らす事が出来る。DTAは低コストのSTBであり、EPG、VOD等の双方向機能はないが、CableCARDを使わずに提供をする事が出来る。すでに1700万台以上のDTAを導入しているComcastは、このプロジェクトの効果は予想以上と発表している。

またそれに加え、登場する新しいチャンネルが減っている事も帯域不足が軽減している要因の1つである。多チャンネルサービスのチャンネル数は、過去数年で急速に増えてきた。増加するチャンネル数に加え、HD化も進むことで、帯域の不足が心配されてきた。しかし、その増加は昨年からストップしている。その大きな原因は不況だが、それだけでなく、VOD、それにインターネットでのビデオ配信が増えることで、これ以上リニアチャンネルを増やす必要性も減っている。新しいチャンネルの殆どは、ニッチを狙った物であり、放送チャンネルを使って提供するより、多チャンネルサービス、あるいはインターネットのVODとして提供した方が効率的であり、視聴者に取っても便利である。